デイサービスやデイケアへ行く服装
デイケアやデイサービスではみんなどんな服を着ているの?
リハビリするならズボン?スカート?
オシャレ着、それとも運動着?
デイケアに通い始める時どのような服で行ったらいいか気になるところだと思います。
理学療法士の立場からすると、リハビリをするのであればやはり動きやすい服装がいいとは思いますが、実際は人それぞれ。
実際見ていると、介護レベルによってもだいぶ違っています。
デイケアやデイサービスなどに通っている方がよく来ている服、また、通所リハビリにリハビリ目的でくるならこういう服がおすすめと思う服などを紹介します。
≪目次≫
1. 元気なおばあちゃん
2. 介護度の高いおばあちゃん
3. 元気なおじいちゃん
4. 介護度の高いおじいちゃん
5. リハビリに適した服装
6. リハビリシューズ
7. 尿失禁対応パンツ
8. その他便利利品
9. まとめ
1、元気なおばあちゃん
■リハビリ特化型の半日型デイサービス
トレーニングジムのようなリハビリ重視の半日型デイサービスでは、マシンなどを使って行う自主訓練が主なため、元気な方がほとんどです。
そのようなところは特殊かも知れませんが、最初から最後まで2時間半ほどずっと運動しているため、上はカットソーやトレーナーのような運動をするのに最適な服装の方がほとんどです。
下も、ジャージやストレッチのきいた動きやすいズボンです。
指輪を付けてきている方はいますが、ブローチやネックレスは見かけません。
■デイケア
デイケアは、リハビリもするけれどほとんどがレクレーションや団らんなどを行います。
そのため交流の場という感じもあり、元気なお年寄りは、おしゃれだなと思う普通のファッションの方も多いです。
ものすごいよそ行きという感じではないけれど、トレーナーやジャージではなく、ほどほどにオシャレな感じ。
「素敵ですね!」と言うと、「何十年の前のやつだよ」なんて言う方もけっこういます。
ネックレスやブローチを付けている方もいます。
歩ける元気なおばあちゃんが着ている服は昔着ていたおしゃれなブラウスやサラサラした素材のカットソーや、家族が買ってきたわりと若めの人がきそうなチュニックだったりします。
若めの方だと、「娘が着ないって言ったからもらったの」という人もいたりします。
その上に長袖カーディガンや袖なしのカーディガンを羽織ってます。
ポロシャツやトレーナーの方は少な目です。
そして運動をするため下はほぼ全員ズボンです。
さらっとした生地のやわらかいお年寄り向けのストレッチズボンという感じのものです。
かなり高齢のおばあちゃんはうわっぱりを着ていたりします。
リハビリでは腕や足を曲げてストレッチをします。
腕の上げ下げや足の曲げ伸ばしをした時につっぱらない服装であれば大丈夫です。
もし腰のマッサージのようなことをする場合は、手でこすることになるため毛玉になりにくい物がよいです。
≪商品例≫
※こちらのショップ、初回サイズ交換無料です。
2、介護度の高い女性
寝たきりの方や立つのが大変というような方は、おしゃれな服と言うよりはトレーナーやポロシャツなど、着心地のいい服を着ている方が多いです。
ズボンは普通な感じのズボン、スウェットのような方、中にはジャージのようなズボンをはいている方もいます。
ふだんから家でも着ているのだと思いますが、起こしたり、寝かしたりの介護をする際、ひらひらしたチュニックやブラウスだとよれるからだと思います。
余計な物がついていたりしない方が着心地もいいし、しわしわせず床ずれになりにくいのでよいです。
トイレ介助などもしやすいです。
リハビリをするのにも、そういった突っ張らない柔らかい服は最適です。
≪商品例≫
shop◆B-ACROSS◆ポロシャツ
shop◆B-ACROSS◆トレーナー
3、元気なおじいちゃん
■リハビリ特化型の半日型デイサービス
Tシャツ、ポロシャツ、ボタンのついたシャツなど運動しやすい服装です。
速乾性のツルツルした素材のスポーツTシャツのような物を着ている方もいます。
下はストレッチの効いた動きやすいズボンか、ジャージです。
上着としてジャケットを着てくる方もいますが、中は動きやすい服装です。
■デイケア
ボタンのついたシャツやトレーナー、Tシャツ、ポロシャツです。
寒い場合には、釣りに来ていくようなポケットがいっぱいついたベストを羽織ったりしています。
冬には薄手のダウンベストを室内でも着ている方もいます。
ズボンはボタンとチャックのついた普通のストレートズボンで、しっかりした感じのを履いている方が多いです。
普通の人がお出かけするときに着ていく服です。
ズボンの伸びが悪いとベッドで足の曲げ伸ばし運動をした時に膝の辺りで突っ張ってしまうことがあるので、ストレッチを行う場合は、硬すぎないズボンがおすすめです。
≪商品例≫
4、介護度の高いおじいちゃん
元気な方と上はほとんど変わらないですが、下はウエストがゴムのズボンをはいています。
その方が本人の楽だし介護する側も楽です。
5、リハビリを受けるのに適した服装
上でも紹介しましたが、リハビリに適した服は男女ともに共通です。
●スカートでなく、ズボン
ベッドやマットに横になり足を曲げたりするため、スカートは避けた方がよいです。
●伸縮性のあるズボン
関節のストレッチをするため、伸びない生地だと突っ張ってしまい曲げにくくなります。
●ゴムが緩くないズボン
重度の方で家では歩かない方の場合、緩いズボンをはいていることがあります。
ズボンの上げ下げを行う際にはゆるいズボンの方が行いやすいですが、立位訓練や歩行訓練などの際に下がってしまうことがあります。
●めくれるズボン・横にファースナーがあるズボン
足のむくみなどのマッサージをしてもらうなどの場合は、ズボンの裾を持ち上げられる方がよいです。
足がもともと太めだったりむくんでパンパンになっていると、ズボンをまくりあげにくく直接マッサージできません。
直接マッサージしない場合もありますが、してもらえそうな場合は脛あたりまで出せるズボンの方がよいです。
●ややゆとりのある服
そんなにきつくなければ問題ないですが、あまりきついと関節のストレッチが行いにくいです。
●毛玉ができない服
腰のマッサージや肩のマッサージをする場合、毛玉ができそうなカシミヤのセーターのようないいものを着ているとリハビリする側もちょっと気が引けます。
マッサージをするような方はこすれても大丈夫な服の方がいいかも知れません。
≪ファスナー付きのリハビリパンツ≫
6、リハビリシューズ
デイケアやデイサービスでは屋内用の靴に履き替えます。
すごく元気な方で靴も楽に履ける方(特に男性)はマジックテープタイプの普通のスニーカーを履いていますが、リハビリシューズ(介護靴)と呼ばれる靴を履いている方も多いです。
リハビリシューズはマジックテープで甲が大きく開いて足が入れやすかったり、学校の上履きのように甲の部分がゴムでできていてスポッと履けたり、体が不自由な方でも脱ぎ履きしやすい靴です。
むくんだ足でも履けるように、横幅も11Eまであるものもあります。
あゆみシューズは有名で施設などでも取り扱っているので履いている方が多いです。
室内用と室外用があります。
歩ける方の場合、リハビリ時に歩行訓練や階段訓練をしたりするため、マジックテープでしっかり止められるものや、足にピッタリあって脱げないものにしましょう。
たまに紐のスニーカーの方もいますが、リハビリ時やお風呂時の着脱に時間がかかってしまうようであれば避けた方がいいかも知れません。
7、尿失禁対応パンツ
こちらは必ずデイケアに履いてくるというわけではないのですが、便利だと思ったので紹介します。
お年寄りの中には尿失禁をしてしまうためにパットを付けている方がけっこういます。
でも、認知症の方だとパットをトイレの中に流してしまったり、頑固なおじいちゃんだと交換するのを拒否したり、体が不自由だと上手く広げて履くのが難しかったり。
パットの方がすぐ変えられるので衛生的ではありますが、それが難しい場合や抵抗がある場合は、こういった見た目が普通な尿吸収パンツで対応するのもいいと思います。
軽い10cc~多めの300ccくらいまであります。
尿失禁対策専門店◆ミタカジャパン◆
8、その他便利品
なくてもいいですが、あると便利な物を紹介します。
■バッグ用のオシャレな名札
バッグには必ず名前を付けます。
つけていないと、介護の人が探すときにいちいち中を開けて入っている物の名前を見て誰の物か確認しなければいけないのでとても大変です。
100均で売っているようなネームプレートでもいいですが、もしプレゼントする機会があればこういったものをあげて付けてもらうとちょっとおしゃれで素適です。
こちらはヒノキに彫刻した出来た名前入りの木札です。
■携帯用靴ベラ
靴ベラはだいたいどこでも置いてあるとは思いますが、自分で持っていればわざわざ取りに行くことなくさっと使えます。
デイでは到着したら室内履きに履き替えます。
また、リハビリ時に治療台に上がる場合も靴を脱ぎます。
リハビリシューズなどの履きやすいシューズならよいですが、家でも靴ベラを使っているような場合は、携帯用の小さい物を持っていると便利です。
■助長器・集音器
耳が遠いと、周りの方とお話しするのが難しくなります。
テーブルを囲んだみなさんで何か盛り上がっていても、何を話しているか分からずなじみにくくなるかも知れません。
介護士さんが前に立って話をする際も、聞こえるのと聞こえないのとでは全然違うと思います。
補聴器を入れておけばいつでも聞きやすいのでよいですが、もし補聴器は苦手のようであれば、会話の際だけ耳にあてるタイプの利用も便利です。
こちらは耳に当てるだけで周りの音が大きく聞こえる助聴器です。
実際試したことがありますが、かなり大きく聞こえます。
耳に当てるとスイッチが入るので使用も簡単です。
イヤホンのように耳に入れておく助聴器もあります。
多少高くなりますが、10日間無料貸し出しで複数試すことができます。
しっかりした物を使ってみたい場合は無料貸し出しで試してからしっかりした物を購入するのがいいと思います。
9、まとめ
リハビリ特化型のデイサービスは女性も男性も運動しやすい服装。
一日を過ごすデイケアのようなところでは、元気な方はわりとみんなおしゃれな服。
しっかりしている方であれば、ある程度はよそ行きの服を着ていった方が恥ずかしい思いをしないのでいいかも知れません。
よそ行きと言っても、肩パットが入っているようなのなどではなく、きれいめ系の普通の服という意味です。
介護度の高い方はご本人の楽なかっこうがよいと思います。
丈が長いチュニックのような服を着てくる方もいますが、トイレでズボンの上げ下げの介助が必要な方は上の服は長すぎるものは避けた方が介助しやすいです。
自分でする場合も長すぎないものにした方がトイレが楽です。
入浴する場合、高価なアクセサリーなどは無くなる危険性があるので避けた方が無難です。
そして下は運動をするためズボンです。
スカートの人がまれにいますが、そういう方にはズボンを履くようにお願いしています。
男性はだいたいみんな同じですが、デイケアに通う男性で元気な方はズボンにしっかりベルトをつけています。
冷房のことで暑がりな利用者と、寒がりの利用者で若干いざこざがあったりします。
本人に直接言ったりはしていないようですが、「あの人が介護の人に『もっと冷房強くしてください』とか言って強くしちゃったから寒いのよ」と言っているのをよく聞きます。
寒さや暑さの感じ方が人によってだいぶ違うことと、席によっては直接冷房の風があたったりするため、自分でカーディガンやベストなどの上着で調節できるようにした方がよいです。
寒い時には長袖のカーディガンも着ますが、半そでくらいの長さのカーディガンが着やすいし便利です。
やや腕の方まであった方が肩あたりが冷えにくいのでちょっと肩幅広めので。