デイサービスに着ていく服装
デイケアやデイサービスではみんなどんな服を着ているの?
リハビリするならズボン?スカート?
オシャレ着、それとも運動着?
デイケアに通い始める時どのような服で行ったらいいか気になるところだと思います。
理学療法士の立場からすると、リハビリをするのであればやはり動きやすい服装がいいとは思いますが、実際は人それぞれ。
実際見ていると、介護レベルによってもだいぶ違っています。
デイケアやデイサービスなどに通っている方がよく来ている服、また、通所リハビリにリハビリ目的でくるならこういう服がおすすめと思う服などを紹介します。
目次
ほぼ自立のおばあちゃん
デイケア・通常のデイサービス
デイケアや通常のデイサービスは、リハビリもするけれど、レクレーションや団らんなども行います。
そのため交流の場という感じもあり、元気なお年寄りは、おしゃれだなと思う普通のファッションの方も多いです。
ものすごいよそ行きという感じではないけれど、トレーナーやジャージではなく、ほどほどにオシャレな感じ。
「素敵ですね!」と言うと、「何十年の前のやつだよ」なんて言う方もけっこういます。
ネックレスやブローチを付けている方もいます。
歩ける元気なおばあちゃんが着ている服は昔着ていたおしゃれなブラウスやサラサラした素材のカットソーや、家族が買ってきたわりと若めの人がきそうなチュニックだったりします。
若めの方だと、「娘が着ないっていうからもらったの」という人もいたりします。
その上に長袖カーディガンやベスト、袖なしのカーディガンを羽織ってます。
ポロシャツやトレーナーの方は少な目です。
そして運動をするため下はほぼ全員ズボンです。
さらっとした生地のやわらかいお年寄り向けのストレッチズボンという感じのものです。
デイサービスのようなジャージのズボンの方はほとんどいません。
かなり高齢のおばあちゃんはうわっぱりを着ていたりします。
リハビリでは腕や足を曲げてストレッチをします。
腕の上げ下げや足の曲げ伸ばしをした時につっぱらない服装であれば大丈夫です。
もし腰のマッサージのようなことをする場合は、手でこすることになるため毛玉になりにくい物がよいです。
リハビリ特化型のデイサービス
トレーニングジムのようなリハビリ重視の半日型デイサービスでは、マシンなどを使って行う自主訓練が主なため、自分で動ける方がほとんどです。
そのようなところは、2時間半ほど最初から最後までずっと運動しているので、通常のデイサービスのような服装の方に加え、運動をするのに最適なシンプルなカットソーやTシャツ、トレーナーといった服装の方も多いです。
もちろん普通に通常のデイサービスのようなオシャレなカットソーの方もいます。
下は、通常のデイサービスと同様、ストレッチのきいた普通のパンツの他、ジャージのパンツの方もいます。
Kaepaのトレーニングパンツを履いている方は何人か見ています。
指輪やブローチ、ネックレスを付けている方もいらっしゃいます。
介護度の高い女性
寝たきりの方や立つのが大変というような方は、おしゃれな服と言うよりはトレーナーやポロシャツなど、着心地のいい服を着ている方が多いです。
ズボンは普通な感じのズボン、スウェットのような方、中にはジャージのようなズボンをはいている方もいます。
ふだんから家でも着ているのだと思いますが、起こしたり、寝かしたりの介護をする際、ひらひらしたチュニックやブラウスだとよれるからだと思います。
余計な物がついていたりしない方が着心地がよく、しわしわせず床ずれにもなりにくいのでよいです。
トイレ介助もしやすいです。
リハビリをするのにも、そういった突っ張らない柔らかい服は最適です。
ほぼ自立のおじいちゃん
リハビリ特化型のデイサービス
Tシャツ、ポロシャツ、ボタンのついたシャツなど運動しやすい服装です。
速乾性のツルツルした素材のスポーツTシャツのような物を着ている方もたまにいます。
下はストレッチの効いた動きやすいズボンか、ジャージです。
上着としてジャケットを着てくる方も中にはいますが、そんなにはいないです。
デイケア、通常のデイサービス
ボタンのついたシャツやトレーナー、Tシャツ、ポロシャツです。
普通の人がお出かけするときに着ていく服です。
寒い場合には、釣りに来ていくようなポケットがいっぱいついたベストを羽織ったりしています。
冬には薄手のダウンベストを室内でも着ている方もいます。
ベストがあると温度調整するのに便利です。
ズボンはボタンとチャックのついた普通のストレートズボンで、しっかりした感じのを履いている方が多いです。
ズボンの伸びが悪いとベッドで足の曲げ伸ばし運動をした時に膝の辺りで突っ張ってしまうことがあるので、ストレッチを行う場合は、硬すぎないズボンがおすすめです。
介護度の高いおじいちゃん
ほぼ自立の方と上はほとんど変わらないですが、下はウエストがゴムのズボンをはいています。
その方が本人も楽だし介護する側も楽です。
リハビリに適した服装
上でも紹介しましたが、リハビリに適した服は男女ともに共通です。
- スカートではなく、ズボン
- 伸縮性のあるズボン
- ゴムが緩くないズボン
- まくれるズボン・横にファースナーがあるズボン
- ややゆとりのある服
- 毛玉ができない服
スカートではなく、ズボン
ベッドやマットに横になり足を曲げたりするため、スカートは避けた方がよいです。
伸縮性のあるズボン
関節のストレッチをするため、伸びない生地だと突っ張ってしまい曲げにくくなります。
ゴムが緩くないズボン
重度の方で家では歩かない方の場合、緩いズボンをはいていることがあります。
ズボンの上げ下げを行う際にはゆるいズボンの方が行いやすいですが、立位訓練や歩行訓練などの際に下がってしまうことがあります。
まくれるズボン・横にファースナーがあるズボン
足のむくみなどのマッサージをしてもらうなどの場合は、ズボンの裾を持ち上げられる方がよいです。
足がもともと太めだったりむくんでパンパンになっていると、ズボンをまくりあげにくく直接マッサージできません。
直接マッサージしない場合もありますが、してもらえそうな場合は脛あたりまで出せるズボンの方がよいです。
※こちらのショップ、初回サイズ交換無料です。
ややゆとりのある服
そんなにきつくなければ問題ないですが、あまりきついと関節のストレッチをした際に突っ張てしまい、上手く行えません。
■毛玉ができない服
腰のマッサージや肩のマッサージをする場合、毛玉ができそうなカシミヤのセーターのようないいものを着ているとリハビリする側もちょっと気が引けます。
マッサージをするような方はこすれても大丈夫な服の方がいいかも知れません。
リハビリシューズ
デイケアやデイサービスでは屋内用の靴に履き替えます。
すごく元気な方で靴も楽に履ける方(特に男性)はマジックテープタイプのスニーカーを履いていますが、リハビリシューズ(介護靴)と呼ばれる靴を履いている方も多いです。
リハビリシューズはマジックテープやチャックで甲が大きく開いて足が入れやすいです。
学校の上履きのように、甲の部分がゴムでできていてスポッと履る靴もあります。
むくんだ足でも履けるように、横幅も11Eまであるものもあります。
あゆみシューズは有名で施設などでも取り扱っているので履いている方が多いです。
室内用と室外用があります。
マジックテープで開くタイプ | チャックで開くタイプ |
歩ける方の場合、リハビリ時に歩行訓練や階段訓練をするため、足にフィットしているものがおすすめです。
リハビリシューズは、歩きやすさよりも脱ぎ履きのしやすさを重視しているため、フィット感が少なく、大股で歩くと踵がパカパカしてしまうことがあります。
良く歩ける場合には、スニーカーのような足にフィットしてクッション性があるものの方がむいています。
たまに紐のスニーカーの方もいますが、リハビリ時やお風呂時の着脱に時間がかかってしまうので、できればマジックテープ式のスニーカーの方がよいと思います。
最近では、手を使わずに履けるスリッポンタイプ(LAQUN(ラクーン))の機能的スニーカーもあります。
こちら40、50代の方も履かれていますが、体が不自由になってきた高齢者が使用することを想定して2023年に開発、販売されました。
施設内だけでなく、デイケアに行く際の外履き、ウォーキングシューズとしてもおすすめです。
手を使わずに履けるスニーカー (スリッポンタイプ) |
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失禁対応パンツ
こちらはよくデイケアに履いてきているというわけではないのですが、便利だと思ったので紹介します。
お年寄りの中には尿失禁をしてしまうためにパットを付けている方がいます。
でも、認知症の方だとパットをトイレの中に流してしまったり、頑固なおじいちゃんだと交換するのを拒否したり、体が不自由だと上手く広げて履くのが難しかったり。
また、通常の尿漏れはなくても、尿の切れが悪く、残った尿がズボンの前面に染みてしまっている男性の方も時々見かけます。
こちらは要支援の方のような割と元気な方に多いです。
パットの方がすぐ変えられるので衛生的ではありますが、それが難しい場合や抵抗がある場合は、こういった見た目が普通な尿吸収パンツで対応するのもいいと思います。
軽い10cc~多めの300ccくらいまであります。
その他便利品
なくてもいいですが、あると便利な物を紹介します。
室内用の帽子
室内でかぶれる帽子をかぶってきているおばあちゃんを見かけます。
オシャレな薄い感じのターバン型の帽子などです。
冷房の効いた部屋で寒い時や、白髪や薄毛が気になるときなどに便利です。
デイケアだけでなく、入所している方でも、寝ぐせ直しにこういった帽子を使っている方がいます。
携帯用靴ベラ
靴ベラはだいたいどこでも置いてあるとは思いますが、自分で持っていればわざわざ取りに行くことなくさっと使えます。
デイでは到着したら室内履きに履き替えます。
また、リハビリ時に治療ベッドに上がる場合も靴を脱ぎます。
リハビリシューズなどの履きやすいシューズならよいですが、家でも靴ベラを使っているような場合は、携帯用の小さい物を持っていると便利です。
まとめ
リハビリ特化型のデイサービスは女性も男性も運動しやすい服装。
一日を過ごすデイケアのようなところでは、元気な方はわりとみんなおしゃれな服。
しっかりしている方であれば、ある程度はよそ行きの服を着ていった方が恥ずかしい思いをしないのでいいかも知れません。
よそ行きと言っても、肩パットが入っているようなのなどではなく、きれいめ系の普通の服という意味です。
介護度の高い方はご本人の楽なかっこうがよいと思います。
丈が長いチュニックのような服を着てくる方もいますが、トイレでズボンの上げ下げの介助が必要な方は上の服は長すぎるものは避けた方が介助しやすいです。
自分でする場合も長すぎないものにした方がトイレが楽です。
入浴する場合、高価なアクセサリーなどは無くなる危険性があるので避けた方が無難です。
そして下は運動をするためズボンです。
スカートの人がまれにいますが、そういう方にはズボンを履くようにお願いしています。
男性はだいたいみんな同じですが、デイケアに通う男性で元気な方はズボンにしっかりベルトをつけています。
冷房のことで暑がりな利用者と、寒がりの利用者で若干いざこざがあったりします。
本人に直接言ったりはしていないようですが、「あの人が介護の人に『もっと冷房強くしてください』とか言って強くしちゃったから寒いのよ」と言っているのをよく聞きます。
寒さや暑さの感じ方が人によってだいぶ違うことと、席によっては直接冷房の風があたったりするため、自分でカーディガンやベストなどの上着で調節できるようにした方がよいです。
寒い時には長袖のカーディガンも着ますが、半そでくらいの長さのカーディガンが着やすいし便利です。
- リハビリ特化型のデイサービスは女性も男性も運動しやすい服装
- 介護度の高い方はご本人の楽な服装
- デイケアはおしゃれな服の方もいる
- リハビリをする場合はスカートはNG
- リハビリで足を大きく曲げる方はストレッチがきいたズボン
- 簡単に羽織れる上着(カーディガン、ベスト)があると温度調整しやすい
- 高価なアクセサリーはつけていかない
デイサービスでも使われる運動器具
木製のあしふみ器
こちら、デイサービスや老人ホームでも取り入れられて足の運動器具です。
不安定にできているので、軽く足を乗っけるだけで自然と動き出す作りになっており、無理なく運動ができます。
5分間楽~に1,000歩行うだけで、ウォーキングにしたら20分相当の運動量になるとのことです。
木製で電源不要で、車椅子のフットプレートに乗っけて使うことも可能です。
動画では95才のおばあちゃんがラクラク使っています。
本当は外を歩きたいけれど転ぶのが心配、天気によってはなかなか歩きに行けないという方はよかったらお試しください。
足のむくみ予防にもいいですよ。