理学療法士として病院や施設で勤め、これはよい、こういう失敗をする方が多いから気を付けた方がいいということが多々ありました。
安全に車椅子に乗れるに越したことはないので紹介します。
通常の使い方についてはいろんなサイトに載ってると思うのでそちらを参考にしてください。
①ブレーキの棒にラップの芯をさす
ブレーキが硬くてかけにくい方、麻痺してる側のブレーキを健側の手でかける方、ぜひラップの芯をブレーキの棒につけてみてください。
楽に動かせるようになります。
老人施設ではラップの芯に色つきのテープを巻いておしゃれにしてつけてます。
②タイヤの空気はきちんと入れる
自転車と同じなのでわかるとは思いますが、タイヤの空気が少ないと地面とタイヤの接触面積が大きくなり、こいだ時にとても重たく感じます。
また、ブレーキのかかりが悪くなり危険です。
ブレーキのかかりが弱いと、乗り移りの際に動いてしまい転落の危険があります。
時々タイヤの空気をチェックをしましょう。
③軽い車椅子は引っ張ると動く
介助用や軽量の車いすは、折りたたんで運ぶ際などは便利ですが、乗り移りの際引っ張って立ち上がってしまうと持ち上がりやすいです。
引っ張って立たない方がいいですが、もし車椅子を引っ張ってしまうようなら、ある程度どっしりした作りの物にしましょう。
④立ち上がりにくい時は
浅く座った方が立ちやすいです。
浅く座り過ぎるのも危ないですが、立つ時には、
・少し前に出て、浅く座り直し、
・膝をしっかりまげて足を引いて、
・体を前かがみにして足に体重をかけ、
それから立ち上がりましょう。
また、座布団を入れるなど座面を高くすると立ち上がりやすいです。
ただし、座面を高くすると、足が地面につきにくくこぎにくくなることもあるため、注意してください。
⑤奥行が深すぎる時
背中にクッションをいれましょう。
⑥麻痺してる腕が肘掛けにあたっていると床ずれができる
麻痺してる腕が、肘掛にあたってしまっていると褥瘡(床ずれ)ができます。
当たっている部分にクッションを入れましょう。
麻痺していると痛みを感じにくいので、気が付かないうちに当たっている部分が床ずれになっていたりします。
⑦物を拾おうとすると転落する
両足をしっかりついて踏ん張れる方ならまだいいのですが、脳梗塞などで片足が麻痺している方などは、物を拾おうと力を入れた際、麻痺した足が曲がって車椅子の下に入り込み、前に転落します。
自宅で転倒したって方けっこういます。
⑧ブレーキは必ずかける
面倒だし、狭い部屋だと降りた後車椅子を移動させたいのでブレーキをかけずに移る方がいます。
危険です。しっかりブレーキをかけましょう。
特にベッドから車いすに移る時は確実にかけましょう。
⑨立ち上がる時はフットプレートをあげる
乗り移りの際、足を乗せる板(フットプレート)を下げたままでまたいで乗り移る方がいます。
引っかかってバランスを崩して転倒する方が多々います。
施設内では、認知症のため毎回あげるのを忘れてしまう方は、フットプレートを外してしまったりします。
ブレーキをかけずにフットプレートもあげずに移るというのが一番危ないです。
⑩クッションを高くしすぎると横に落ちやすい
床ずれ防止に厚みのあるクッションを入れると思いますが、その分体に対して肘掛が低くなるので不安定な方だと横に落ちやすくなります。
ふだんは平気でも、車椅子に座ったまま寝てしまい体半分横に飛び出している方もいます。
⑪車椅子は手でこぐ 足は舵取り
両手のみや足のみでこいでいる方は別ですが、脳梗塞など片側が麻痺している方が片側だけを使ってこぐ場合、手の力で前に進み、足は舵を取るのに使います。
片足のみでこぐのは大変です。
⑫車椅子で寝てしまって転落
車いすに限らないことですが、長く座っていて眠てしまうと転落します。
特に、麻痺している方などだと、転落しそうになってハッと気がついても踏ん張って戻すことができません。
座っていても眠っている時間が長いという方は、背もたれを倒せるリクライニング車いすを使うか、車いす用のテーブルを乗せるといいです。
ずり落ち防止に、股につける安全ベルトもあります(施設で使うのは身体拘束になるので現在は禁止ですが)
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