【高齢者の膝の痛み】変形性膝関節症でしてはいけないこと、運動の注意点

高齢者の膝の痛みの原因と運動

お年寄りの方で膝が痛いという方は多いです。

男性でも起きますが、特に女性で、特に多い痛みのが膝の内側の痛みです。

高齢者の膝の痛みの原因、痛みがあるときにしてはいけない運動、してはいけないことなどを紹介します。

≪目次≫

1、変形性膝関節症とは
2、してはいけないこと
3、筋トレの方法
4、階段の上り方・下り方
5、便利グッズ
6、まとめ

1、変形性膝関節症とは

まずはお年寄りの膝痛の主な原因である変形性膝関節症について、簡単に説明します。

ほとんどの方が痛いと訴えるのが、膝の内側の部分で、その部分は、加齢や体重によって負荷がかかりやすいところです。

下の写真は膝関節になります。

上の骨と下の骨の間の隙間にはそれぞれ軟骨があります。

そしてその軟骨のある隙間の部分で膝が曲がります。

通常隙間は左右同じですが、軟骨がすり減った側の隙間はどんどん狭くなり、動きにくくなってきます。

日本人は左右の膝と膝がくっつかないO脚の方が多いです。

O脚ということは膝が外側に開くため内側の方の軟骨つぶされる状態になり、画像の〇の部分に負担がかかります。

この内側部分に長年負担がかかることで、軟骨がすり減り、変形性膝関節症を起こして痛みが出ていることが多いです。

レントゲンを撮ればすぐに分かります。

重度の変形性膝関節症になってしまうと、自分ではどうにもできませんが、軽度で少し痛む程度であれば筋トレなどで症状を軽減することができます。

筋トレで痛みを軽減できるのはひどくなる前の場合です。

膝が熱を持って痛くて動けなくなってしまうような時は手術の適応になります。

2、してはいけない運動

膝の痛みがある状態ではしてはいけないことがあります。

筋力をつければ治る、温めればよくなると思って、間違った運動をしてしまっている方がいます。

正しいやり方を知らないで行うと、悪化させてしまうので気を付けましょう。

次にあげることはやってはいけない運動です。

やってはいけない動作
  • 体重をかけた状態での屈伸運動(スクワット)
  • 炎症があるときに温める
  • 痛いと思う動作

 ■体重をかけた状態での屈伸運動

老化によっておこる変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減っておきています。

膝が痛い時にやってはいけないことは、膝関節に体重をかけた状態で屈伸運動をすることです。

ただ立っているだけでも膝関節に対して体重がかかり、膝関節の隙間が押された状態になります。

その状態で膝を曲げ伸ばしすると、軟骨がゴリゴリこすれることになります。

  • 立った状態での屈伸運動(スクワット)
  • 階段昇降

どちらも膝関節におもいっきり体重をかけた状態で膝の曲げ伸ばしをしてしまっています。

膝の筋力訓練は必要ですが、体重をかけないでするやり方で行う必要があります。

その方法は後ろで紹介します。

 ■炎症時に温める

痛いということは膝関節に何かがおきています。

触ってみて温かさ(熱感)があるときは、炎症が起きているため、絶対に温めてはいけません

こたつや浴槽に使った場合も温まってしまいますので注意が必要です。

熱を持っている場合は、氷などで冷やしたり、湿布を貼って鎮痛したりしましょう。

温めると炎症が悪化し痛みが増します。

ただし、急性期が過ぎ、冷えると痛む、雨の時は痛むなど、時々じんわり痛むというような時には、温めることが効果的な場合があります。

けれど、触ってみて熱感がある時は温めない方がよいです。

そうは言っても熱感があるのかないのかの判断は難しい場合もあります。

間違えて温めたからといってとりかえしがつかなくなるようなことはないので、お風呂に入って少し温めてみて痛くなるようなら温めてはいけなかったんだな、じゃあ冷やそうくらいの気持ちで温めてみてもよいかと思います。

 ■痛いと思う動作

階段の上り下りなどもそうですが、痛いと感じることは関節に負担がかかっているのでしてはいけません。

正座も痛いようでしたら、負担がかかっているということなのでしてはいけません

どうしても正座する必要がある場合は、お尻とふくらはぎの間に何かを挟んだり正座椅子を使うなどして膝の曲がる角度ができるだけきつくならないようにすると痛みが出にくいです。

3、筋トレの方法

膝痛の方には膝の筋トレはかかせません。

すり減ってしまった関節軟骨を筋トレで治すことはできませんが、膝周りの筋力を鍛えることで、関節面にかかる負担を軽減し、痛みを減らすことはできます。

膝に筋力をつける場合は、膝に体重をかけない方法で行います。

膝を伸ばす筋肉を鍛えます。

具体的な方法は座って行う方法と、寝て行う方法の2つになります。

方法1


※楽天市場に売られている重錘バンドです

椅子に座った状態で片足ずつ膝を伸ばして5秒保持する。

膝痛のでないくらいの重さの重りを足首につけるとさらに効果的です。

施設では1kgの重りを使うことが多いです。

痛いようなら重りを軽くするか重りなしで行ってください。

① 椅子に座った状態で足首に重りをつける。

② 片方ずつ膝をゆっくり伸ばし、伸ばしきったところで5秒ほど保持。

② ゆっくり降ろす。

これを左右それぞれ10~30回ほどできる範囲で行います。

無理のない程度でいいので1日数回行ってください。

巻くタイプの市販の重りもありますが、砂やお米や砂糖や粘土などを袋に入れて足首につけてもいいです。

方法2

上の方法で痛いようならあまり関節を動かさない方がいいので仰向けで寝た状態で行います。

① 仰向けに寝て膝の下に丸めたタオルを入れる。

② そのタオルをつぶすように膝にぐっと力を入れて5秒保持する(足先は反らす)。

この方法でも太ももの前の筋肉に力が入るのが分かると思います。

足先を反らすことで膝に力が入りやすいです。

足首に重りを付けて持ち上げるようにすればさらに力が入ります。

これも同じく10~20回を一日数回、無理のない程度に行ってください。

4、階段の上り方下り方

膝の痛みがある方の階段の上り下りには、手順があります。

  • 上がる時:健側(いい方)⇒患側(痛い方)
  • 下がる時:患側(痛い方)⇒健側(いい方)

常にいい方の足に対して痛い方の足が下にあるようにします。

こうすることで、痛い方の足で踏ん張ることが減ります。

足を出したらもう一方をそろえるという進み方です。

そろえなくても痛みなく歩けるのでしたら、どちらから上り下りしても関係ないので気にしなくても大丈夫です。

5、便利グッズ

変形性膝関節症などで膝の痛みがある方に便利な痛みを軽減するグッズを紹介します。

 ■ホットパック

慢性的な膝の痛みは、温めることで緩和されます。

ただし、急性期は温めてはいけませんのでそこは注意してください。

膝を触ってみて熱感がない時だけ温めるようにしましょう。

電子レンジで温めるタイプやコンセントで温めるタイプがあります。

ひざ掛けサイズの電気毛布は、さっと膝にかけて温めるのに便利です。

ホットパックなどに比べると緩やかな温かさですが、冷えを防止することができます。

■電子レンジ式ホットパック

 

■コンセント式ホットパック

 

■電気毛布

電気毛布

 ■サポーター



●ボーンなし

●筒状

●固定力

●ボーンあり

●ベルト式

●固定力★★★

  • 筒状で足を通してすっぽり履く。
  • 磁気などで温めて痛みを和らげる。
  • しめ付けて固定するタイプとは違い、固定力はないので、痛みが強い場合は効果がない。
  • ズボンの下に履いても目立たない。
  • 炎症が強い時は使えない(血行を良くすると痛みや腫れが悪化)。
  • フルオープンなので靴を脱いで足を通す必要なく、マジックテープで簡単に着脱。
  • 厚みが出る分、ズボンの下に履くと目立つが、筒状だけの物より膝関節の固定力は強い。
  • 横にボーンが入っているので、膝の関節の安定感を高め、膝関節への負担を減らして痛みを軽減。
【製品情報】

  • ストレッチ素材で膝を締め付けない
  • 蒸れにくい
  • 磁石製品のため手洗い
【製品情報】

  • 大阪市立大学にて検証試験済み
  • 累計販売数10万足突破
  • サイズ交換可能
  • 30日間返金保証あり
  • 2種類から選べる(O脚は回旋系サポーター)
  • 雑誌・メディア掲載多数

※固定力は商品仕様で判断した物です。

膝のぐらつきを固定するためのサポーターベルトをつけると多少楽になります。

サポーターに頼り切ってしまうと膝周りの筋肉が衰えてしまうので、痛みが少ない時には筋トレをするようにしましょう。

筒状で圧迫感がないタイプは、温めることがメインです。

膝痛のひどい場合には、同じ筒状でも、圧迫感のあるタイプの方が効果があります。

ただ、こういったタイプは、緩いと圧迫されないし、小さいときついので、調整できない分、合ったものを選ぶのがなかなか大変です。

しっかりベルトで締めて固定でき、さらに両側に支柱(ボーン)が入っている物は、さらに安定性が強く効果があります。

フルオープンであれば、ある程度脚の太さに合わせて調整ができるのでサイズは選びやすいです。

サイドに支柱(ボーン)が入った物は、がっちり膝をサポートしてくれますが、正座をするのは難しく、ぴったりしたズボンを履くと目立つという欠点があります。

それぞれ利点欠点があるので、ひざの痛みの具合で固定力を考え、生活スタイルにあった最適な物を選択するようにしてください。

立ち上がり時に痛みでガクッとしてしまうくらいつらいようなら、筒状ではなくボーンが入ったベルト式がいいと思います。

時々なんとなく痛むぐらいでしたら、筒状の物でまずは保温するのでいいかも知れません。

ただ、保温するだけでは痛みを和らげるだけで根本的な解決にはならないので、筋トレもするようにしましょう。

ボーン入りを使うくらいひどい場合は、

  • 炎症があって膝に熱を持っているなら冷やして一時的に安静
  • 熱をもっていないようなら痛みが出ない範囲で筋トレ

をするようにしましょう。

歩き方に影響が出るくらい痛い場合には、病院で相談してもっとガッチリしたのを病院で購入しましょう。

高齢者向けの膝用サポーターで評価のいいものを載せていますが、どれがいいかは商品説明をみて検討してください。

実際に使ったわけではないので参考程度にしてください。

 ■インソール



高齢者で痛みのある大部分の方が、膝関節の内側の痛みだと思います。

これは長年膝に負担をかけてきた結果、O脚となり膝の内側の軟骨がすり減っておきている痛みです。

靴の外側がすり減っていれば、だいぶ外側に体重がかかってしまっているということなので、O脚が進んでいる可能性があります。

引用:O脚・X脚インソール「リフリーラ」公式サイト

O脚は、靴の中の外側をやや高くすることで矯正させることができます。

その外側を高くするために使うのが、靴の中に入れるインソール(中敷き)です。

普通の中敷きは全体が同じ厚みだと思いますが、O脚矯正用は外側がやや厚くなっています。

引用:O脚・X脚インソール「リフリーラ」公式サイト

自分で靴の中の外側に何かを入れて、膝が外側に開くのを防いでもいいですが、こういったインソールを買ってみるのもいいと思います。

こちらは、累計販売数が13万足以上のO脚を矯正するための中敷き(インソール)です。

大阪市立大学にて検証試験実施済みのものです。

30日間返金保証があるため、使ってみて合わなければ返品することができます。

デイサービスに来るO脚が強い変形性膝関節症の方に、病院へ行ってインソールの話をしてみるように勧めているのですが、いざ受診するとなかなかそういった話をするのは難しいようです。

整形外科によっては膝の注射ばかりを行い、こういった物の話をしないところあるようです。

病院で作ってもらいにくかったら、市販のこういったもので試すのもいいのではと思います。

 ■膝下クッション

変形性膝関節症などの場合、膝がやや曲がり気味になってきます。

寝る時に膝を真っすぐ伸ばすと、膝裏が浮いてしまい膝関節に負担がかかります。

そのせいで痛みが出ることがあります。

枕やクッションなど、膝下に入れて膝をやや曲がり気味にすることで痛みがでにくいです。

 ■高座椅子・正座椅子

正座などで膝を大きく曲げた場合も膝に負担がかかり膝痛が悪化します。

膝を完全に曲げずにすむ便利商品があります。

■高座椅子


その他の高座椅子

膝が痛くて正座ができない、床に座ってしまうと立ち上がるのが大変な時に便利な低めの椅子です。

椅子に腰かければいいけれどみんなと一緒に居間に座っていたい場合、椅子と座椅子の間くらいの低めの椅子に座るとよいです。

■正座座布団・あぐら座布団

その他の正座座布団

正座やあぐらをかく時にちょっとお尻の下に挟む枕です。

こちらをはさむことで、膝が完全曲がることを防げるので膝がちょっと悪い方には便利だと思います。

すごく悪い方は正座自体しない方がいいです。

■携帯用正座椅子・自宅用正座椅子


その他の正座椅子

こちらに座ることで、正座する時に完全に膝を曲げなくてすみ、膝を痛めにくくなります。

法事やお稽古などの際に便利です。

背もたれがあるものや折りたためるコンパクトなものなどいろんな形のものがあります。

通気性のよさそうなものも。

用途に合わせて選んでください。

6、まとめ

お年寄りに起こりやすい膝の痛みの原因は変形性膝関節症です。

長年、膝関節に負担がかかることで膝の関節面の軟骨がすり減り、特にすり減りやすい膝関節の内側が痛んできます。

自分でできること
  • 膝の筋トレをすること
  • 負担のかかる動作しない
  • 体重を減らす

積極的に何かをしなくても、体重が軽くなるだけでも膝にかかる負担が減ります。

重度になってしまうと運動もできなくなってしまい体重を減らすことが難しくなります。

軽度のうちに体を動かし、体重を減らすようにしましょう。

また、脳梗塞片麻痺などで麻痺がない方の膝が痛くなることがあります。

これは麻痺側の足をかばっていい側にばかり体重がかかるためです。

立ち上がり時や歩行時にできるだけ麻痺側にも体重をかけ、左右対称に動くようにしましょう。

傾いた状態で動作をしていると、膝の痛みだけでなく、体のゆがみや腰の痛みが出る原因にもなります。

膝の痛みの原因が、変形性膝関節症以外の場合もあります。

その場合、レントゲンでは骨に異常がみられません。

膝の筋力が弱い方が、膝を少し多めに使った時に膝の上のあたりを痛めることがあります。

太もも(前)の筋肉が膝のあたりについているのですが、そのついている部分に過度な負荷がかかると炎症が起きます。

スポーツをしている若い方に多いですが、お年寄りでも起きないとも限りません。

その場合もやはり筋力をつけていく必要がありますが、筋肉を痛めているのでしばらくは筋トレはできません。

痛みが落ち着いたら予防目的で筋トレを始めます。

急に強い負荷をかけてしまうとまた痛めてしまうので、少しずつ負荷をかけて筋力をつけていきましょう。