人間は体を使わないことで筋肉量が減少し、筋力低下を起こします。
筋肉量の低下、筋力低下、身体能力の低下している状態をサルコペニアといいます。
何もしなければ、老化に伴いサルコペニアが進行します。
サルコペニアが進行すると、転倒リスクが高まり、転倒して骨折し入院にでもなればさらに進行し寝たきりにつながることもあります。
自宅でのリハビリは在宅生活そのものが運動です。
着替え、食事、家事、車椅子からの乗り移りなどすべてがリハビリになります。
本人が頑張ればできることまで家族が手伝ってしまうことは運動の機会を減らしてしまっていることになってしまうので、できるだけ自分で行ってもらう方がよいです。
さらに、余裕があればもう少し意識して運動を行うと老化によるサルコペニアを予防することができます。
動ける方はもう少し鍛えればさらに筋力がつき転びにくくなります。
足首をストレッチすればつまづきにくくなります。
やる気が出ない方の場合、リハビリ器具を買うことでやる気が出たりするという効果もあります。
自宅で使えるリハビリ用品(運動用品)を紹介します。
手足の筋トレ
重錘バンド(重り)
こちらは、手首や足首に巻いて筋力訓練を行うものです。
さまざまな重さがあります。
病院で使うような重錘バンドは重さに応じて1本あたり0.5kgで約4
,000円、1kgでは約5,000円します。
その分、端と端をマジックテープで留めるだけで簡単に手足に巻き付けることができます。
固定されるため、落としてしまう可能性があるダンベルよりも安全です。
病院で使う形ではないですがもっと低価格の物があります。
こちらは100円ショップのものですが、これと似たような形です。
ベルトを金具の輪っかに通し、引っ張って止めるタイプなので、ひと手間かかります。
お年寄りが使う場合は、多少高くてもマジックテープを合わせるだけでさっと止められるタイプの方が使いやすく、面倒にもならずに続けやすいかと思います。
私の勤める老人保健施設ではほとんどの方に1kgを使用しています(足首につける)。
少し筋力がない方は0.75kg。
かなり筋力がある方は、1.5kgや2kgを使っています。
セラバンド・フリーバンド
ゴムで作られており、引っ張ることで筋力訓練になる道具です。
リング状にして、片方を足に固定してもう一方を手で引っ張ったり、両手で持って左右に引っ張ったりします。
初めからリングになっているセラバンドループという物もありますが、人によって手足の長さや動かせる範囲が違うため、ループ状になっていない方が使いやすいかも知れません。
座って片方を椅子の足に固定してもう一方を足首につけて膝を伸ばす運動をするのもよいです。
使い方はさまざまですが重錘バンドよりもお手軽です。
色によってゴムの強さが違います。
老人施設で主に使うのは黄赤緑です。
セラバンドミニは、個人で使う用の1.5mタイプです。通常の物はロールになっていて45mくらいあったりします。
セラバンドミニを選ばなくても、通常の物を適度な長さにカットして販売しているお店もあります。いろいろな強度の物をセットにしているお店も。
劣化すると引っ張ったときに切れるので、たくさん買い過ぎないようにしましょう。
黄 (弱) :小児・女性・中高年向き
手術後体力が回復したが、初期段階で筋力・体力を保持したい方
赤 (中弱):女性・中高年向け
退院後自宅でリハビリする方、筋力・体力を保持したい方
緑 (中) :女性・男性向き
男性で筋力・体力にまだ地震がない方、筋力・体力を保持したい方
青 (中強):若年層・男性向き
筋力・体力に少し自信がある方、筋力・体力を保持したい方
黒 (強) :若年層・男性向き
男性で筋力・体力に自信のある方、筋肉耐久力を付けている方
類似品
長さの調整はできませんが、こういう物でも同じような運動ができそうです。
ただ、足への密着は少なそうなので、引っ張っていない時にずれ落ちたりしやすいかも知れません。
手指の筋トレ
セラパテ
指、手のひら、手首を鍛えるのにちょうど良い治療用の粘土のようなシリコンパテです。
握ったりつまんで引っ張ったり、何かを作って楽しみながら行ったり。
粘土状ですが、普通の粘土と異なり、容器の外に出しておいても固くなったり乾燥したりしません。
6種類の固さがあり色で区別します。
ベージュが一番柔らかく、黒が最も硬いです。
- ベージュ(スーパーソフト)
- 黄(ソフト)
- 赤(ミディアムソフト)
- 緑(ミディアム)
- 青(硬いタイプ)
- 黒(スーパーファーム)
類似品
握ってつぶす握力だけで練習用でしたらこちらで大丈夫そうです。
ハンドクロストレーナー(指の筋トレ)
見たことありませんが、指を開く力も筋トレできる器具のようです。
もちろんセラパテのようにつまむ方向に力を入れる訓練にもなります。
柔らかいので握ってもいいです。
両手で使うことで手首の訓練もできるようで、使い方はいろいろです。
足首ストレッチボード
アキレス腱をストレッチする器具です。
自分の足首(アキレス腱)の反る角度に合わせて器具の角度を調整し、この上に立つだけです。
自らの体重でふくらはぎのストレッチをします。
脳梗塞による片麻痺などで足首が硬く反り返りにくくなってしまっている方や、つまづきやすい方などに効果的です。
また、足首が硬い方は後ろに転びやすかったり足首を捻りやすかったりするので、心当たりのある方は足首の反り返り具合をみてみてください。
お年寄りでアキレス腱が硬くなってしまって反りにくい方は意外と多いです。
正常な方が反る可動域(角度)の目安は20度です。
すねと足裏が直角なった状態から20度反らない場合は足首が硬くなっているので、ストレッチを行うと効果的です。
膝が曲がってしまっていては意味がないのでしっかり膝を伸ばした状態で乗ります。
壁を背にしたり、不安定な場合には何かに捕まり転倒には十分注意してください。
病院にもこれの大掛かりな物がおいてあります。
左のグレーのタイプは、勤務先のデイサービスで使用しているものと同じです。