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お年寄りが転びやすい時・注意点

おじいちゃんおばあちゃんが転んで骨折するという話はよく聞く話です。

みんなどんな時に転んでいるのでしょうか。

 

病気にもよりますが、転ぶ方はだいたい毎回同じ状況で転んでいます

高齢者が転倒しやすいパターンを紹介します。

 

思い当たる節がある方は、どのあたりを注意したらよいか意識して、気を付けて生活するようにしましょう。

また、介護する方も、どのような時に転びやすいかを知り、転倒を予防しましょう。

 

お年寄りが転びやすいパターン
①つまづく
②ふらつく・バランスを崩す
③尻もちをつく(後方に転ぶ)
④座る時に転ぶ
⑤立ち上がる時に転ぶ
⑥物につかまり損ねて転ぶ

 

つまづく

つまづいての転倒は、病気に限らずよくあるパターンです。

 

重度の麻痺の方の場合、杖を使ったりゆっくり気を付けて歩くためつまづいて転ぶということは少ないです。

注意力がない方は別ですが、しっかりしている方は割と注意深く歩いています。

 

一番転びやすいのが軽度の麻痺の方です。

わりとスタスタ歩けれるけれど、思ったよりつま先が上がっておらず引っかかったりします。

 

麻痺がなくても、バランスが不安定で足をひきずりぎみで歩く方、アキレス腱が硬くつま先を反れない方、筋力がなくつま先を上げられない方もつまづきやすいです。

 

若い人でもつまづくことはありますが、若い人の場合、つまづいて転びそうになっても、足を一歩踏み出して踏ん張ることができます。

 

ご高齢になると、そういったつまづいたあとの足の踏ん張りがきかず、そのまま転ぶようになります。

 

つまづいた後のことも大事ですが、まずはつまづかないよう、しっかりつま先を上げて踵から地面につくように歩くことが大切です。

 

このように指導をすると膝を曲げて足を高く上げてしまう方がいるのですが、膝を上に上げるのではなく、つま先を反りながら前に大きく振り出して踵から付くようにします。

 

長く歩くと疲れてきてつま先が上がりにくくなるので、長距離歩く際には休憩を挟むなどしながら体調合わせて行いましょう。

 

ふらつく・バランスを崩す

ふらついて転ぶ方も多いです。

何もないのによろけてしまいます。

 

めまいがしてよろける場合もあれば、めまいなどないのに足元がふらついて転んでしまう場合もあります。

 

動作をするとめまいがある方は、めまいが落ち着いてからゆっくり動くようにしましょう。

勢いよく起きたり、立ち上がったりするとめまいがでやすいです。

 

常にめまいがあるような場合は医者にかかっていると思いますので、医者の指示に従って危なくない範囲で動きましょう。

 

めまいや貧血などがないのにふらっとする場合、股関節周りや足首など足の筋肉が弱い可能性が高いです。

 

誰でも立てば不安定になり、重心が左右前後に揺れるものです。

それでも倒れないように踏ん張れるのは筋肉が働いているからです。

 

筋肉が弱ってしまっていては、重心の揺れに耐えきれず左右前後どちらかに倒れてしまいます。

麻痺がある方も同様です。

 

ふらつきが多い方は杖や歩行器、手すりなどを使いましょう

 

そして筋力をつけましょう

尻もちをつく(後方に転ぶ)

トイレから出て方向転換をした時や、上の方に手を伸ばした時(カーテンを閉める時、上の物を取る)など、重心が後方に行ってしまって尻もちをついてしまう方がいます。

 

方向転換の際、上半身だけが先に動いてしまい、下半身が付いてこない場合に後方にバランスを崩しやすくなります。

特にパーキンソン病の方に多く見られます

 

バランスを崩した時、後方にとっさに足を出すのは難しいです。

特にパーキンソン病などがあるとよけいに足が出ません。

 

たびたび転んでしまう方は、向きを変える時などは何気なく行うのではなく、意識しながらゆっくり足を出して向きを変え、重心が後方に行かないようにしましょう。

 

カーテンを閉める、食器を出すなど高く手を上げる時は、片手でどこかにつかまって状態で行うか、体が反り過ぎないよう対象物から距離を取り、前に重心がある状態で行いましょう。

カーテンに近づき過ぎたり、食器棚に近づき過ぎたりすると、手を挙げた際に重心が後方へ行きやすくなります。

 

座る時に転ぶ

椅子に座ろうと思っても、上手く座れず転んでしまう方がいます。

そういった方は、椅子に対して体が斜めになった状態で座りがちです。

 

お尻を完全に椅子の方に向けてから座らずに、お尻が半分出ているような状態で座ってしまうので滑り落ちます。

 

そういった方は自分では分かっていないことが多いので、周りの方が声をかけたり介助をして、しっかり向きを変えてお尻が椅子の方に向いてから座ってもらうようにする必要があります。

 

繰り返し言うことで本人にも意識してもらいます。

 

また、椅子やベッドが高すぎる場合も、深く座れずに滑り落ちてしまう場合があります。

背が低い方の場合は、椅子やベッドをしっかり深く座れる高さにするようにしましょう。

 

立ち上がる時に転ぶ

立ち上がったと思ったら立ち上がり切れずに座ってしまい、椅子が動いて転ぶ方がいます。

 

そういった方は、重心をしっかりと前に移動できておらず、足に体重が乗り切れていません。

前かがみになって重心を足の裏に移動させ、足に重心が移ってからゆっくり立ち上がります。

 

椅子が動いてしまう方の場合、ふくらはぎや膝の裏を椅子に押し付けながら立とうとしてる可能性が高いです。

そのような立ち方の場合、常に重心が後ろにあるので、軽い椅子では動いてしまいます。

立ち上がる際は膝裏を椅子にくっつけず、浅く座ってから立ち上がるのが正しい立ち上がり方です。

 

また、勢いを付けて立ち上がろうとする方がいます。

その場合、勢いが付かなすぎると立てずにまた座ってしまったり、勢いが付きすぎると前に行きすぎて危なかったりします。

勢いはつけず、ゆっくりと前かがみになって立ちあがりましょう。

 

捕まる物がなければ、両膝に手を当てて立ち上がるのもよいです。

椅子は座面が高い方が容易に立ち上がれます

  • 浅く座る
  • 膝を90度以上曲げる
  • 体を前に倒す

を行うと立ち上がりやすいです。

 

物につかまり損ねて転ぶ

不安定な方にありがちなのが、何かに捕まろうとして捕まり損ねて転ぶパターンです。

 

しっかり捕まったことを確認してからもたれかかればよいのですが、まだ捕まっていないのにそちらに重心を移してしまい、捕まり損ねてそのままそちらの方向に倒れてしまいます。

 

物につかまる場合はしっかりつかまってから体重をかけるようにしましょう。

遠くのものに手を伸ばしてつかまろうとするのもやめましょう。

 

動いてしまうような不安定な物につかまらないよう、つかまる物にも気を付けましょう。

 

■この記事を書いた人(監修)

 

   まるるん

理学療法士(24年)/ブロガー(9年)

2000年に理学療法士免許(国家資格)を取得し病院や介護施設でリハビリ専門職として勤務、2015年からは副業でブログも書いているまるるんです。

福祉用具、リハビリ用品、バリアフリーの温泉宿などを紹介します。

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