シルバーカーの種類と選び方
お年寄りが押して歩くシルバーカーにはさまざまな種類があり、大きさによって安定性が違います。
それぞれコンパクト、安定しているなど利点がありますが、その分欠点もありますので、自分に合ったものを選ぶ必要があります。
体の状態、使用目的に合わせたシルバーカーの選び方、おすすめの形を紹介します。
歩行器とシルバーカーの違い
お年寄りが両手で持って押して歩くものには、歩行器とシルバーカーがあります。
- シルバーカー:自立した歩行が可能な方が荷物の運搬などに使う便利なもの
- 歩行器:歩行が不安定だったり、自力での歩行が難しい方が体を支えるのに使う介護用品
と定義されています。
ただ、実際はかなり不安定で、シルバーカーなしでは歩けないというくらいの方もシルバーカーを使っている場合もあります。
施設のリハビリでも、シルバーカーで歩行訓練をする方もいます。
右三つの画像は歩行器になります。
身体を支える介護用品である歩行器ですが、荷物を入れるところがついていたり、座って休める部分がついていたりと生活するのに実用的にできているものもあります。
一番左の物だけがシルバーカーになります。
シルバーカーは、デザイン性があってオシャレな物が多いです。
シルバーカーにはいろいろな種類があります。
荷物を入れるところがついている物、座る所が付いている物、持ち手が縦の物、大きいもの小さい物。
どれも理由があってそのような形になっており、それぞれ利点・欠点があるので、体の状態、使用用途にあったものを選ぶ必要があります。
ここでは、歩行器ではなく、実際に家族が購入するようなシルバーカーの種類について説明します。
シルバーカーの選び方
大きいタイプ
横幅があって重いタイプはとても安定しています。
不安定で転ぶ危険性が強い方はこういったものがおすすめです。
ただ、ものすごく不安定な方は、シルバーカーではなくもっと幅の広い歩行器を使うようにしてください。
左の物は、幅が50cmあって重さも7.5kgあります。
右の物は、幅が48cmで重さは5kgです。
座る部分の横にひじ掛けのようなものもあるので、座った際も安定感があります。
老人施設であれば広々しているので、こういったものでも使いやすいのでよいです。
荷物をたくさん入れられるので、買い物をする場合にも便利です。
ただ、小さい物に比べて場所をとるため、車に乗せたり玄関に置いて置いたりするには邪魔になります。
中間サイズタイプ
横幅が45cm前後のタイプです。
こちらのタイプが一番多いです。
座る部分の横にはひじ掛けの様な物はなく、重さも4~5kgくらいです。
大きい物に比べると軽い分、横への不安定性は増しますが、大きいタイプほどがっちりした物はいらないけど、小さいタイプだと不安という方にちょうどいいのではないでしょうか。
荷物を入れる所も大きめです。
小さいタイプ
こちらは横幅が狭く、荷物を入れるところもかなり小さいコンパクトタイプです。
縦の長さはあまり関係ありませんが、横幅が狭いということはそれだけ横への安定感がなくなります。
座るところがついていますが、上手く座らないと転倒します。
また、重さがないので、バランスを崩した時に持ち上がってしまう可能性は高いです。
小さいので車に乗せる時なども楽で、玄関でも邪魔になりにくいですが、歩行状態がかなり不安定な方はこちらは選ばない方がいいです。
上の二つはどちらも横幅が狭く41と42cm。
重さは左が2.7kgで左が4.3kgなので差があります。
軽ければいいというわけではないので、体の状態に合わせた適度な重さの物を選ぶとよいです。
施設では、安定感を出すためにわざと歩行器に重りを載せて重くしたりもします。
大容量タイプ
荷物をたくさん入れられる、金属のカゴでできているタイプです。
男性が持っても違和感がないようなカゴがむき出しになっているシンプルなタイプやそのまま家の中に持ち運べるバッグ付きのものもあります。
横幅は比較的広めで46cm前後です。
金属のカゴのものは5kg前後でちょっと重くなりますので、安定感はよいと思います。
左のタイプは座れますが、右のバッグが入ったタイプは座れません。
けれども、右のタイプは買い物かごを載せることができます。
最近は、買い物かごを乗せられるようになっているタイプも多いようです。
持ち手が縦のタイプ
持ち手が横向きの物が多いですが、縦になっているものもあります。
腰が曲がっている方が歩行器に体重をかけたり、ただ真っすぐ進むだけなら横向きの方が楽に押せますが、曲がることを考えると持ち手が縦の方がコントロールしやすいといえます。
座る所が自分側についているので、座って休憩する時の安全性が高いです。
シルバーカーの前に回って座るのが危険なようであれば、こちらのタイプがおすすめです。
持ち手が背もたれの様になるので、横に転がる心配も少ないです。
サイドカー
片手で持ち、身体の横を転がすタイプです。
シルバーカーとは言わないと思いますが、こちらも体をある程度支えられます。
施設などで使っている方は見かけませんが、デイサービスに来るような元気な方はこういったものを使っている方もいます。
両手押しのタイプよりこちらの方が使いやすいと言っている方もいます。
両手で持てる方が安定感は増しますが、何も持たないよりは重しになるしバランスがとりやすくなると思います。
前に持つタイプはお年寄り感が出て抵抗がある方でも、こちらなら持ちやすいようです。
ただ、左右非対称な歩き方になるため、少なからず片側の膝や腰、肩に負担がきます。
交互に持つようにするか、できれば前に押すタイプの方がよいです。