お年寄り向けの杖の種類と選び方
おばあちゃんおじいちゃんに杖をプレゼントしようとした時、どんな杖がいいか迷いますよね。
一般的な方が購入するタイプの杖はそんなに種類はありませんが、歩行の不安定さによって大きく分けて2種類あります。
また、普段使わないけど携帯するという利便性を考えたものもあります。
理学療法士としてアドバイスも付け加えながら杖の選び方を紹介します。
≪目次≫
1、杖の種類
2、杖の選び方
3、その他の便利品
1、杖の種類
一般的に購入できるの形には、『T字杖』と『四点杖』というものがあります。
■T字杖
一般的に言う杖とは『T字杖』のことでTの形をしています。
少し不安定になってきたから持つというのがこちらです。
そのT字杖の中にも、
- 長さの調節ができる
- 折りたためる
- 木製、金属製
- ストラップ付き
などさまざまなものがあります。
金属製の物は長さを調整できるものがほとんどですが、木製タイプは簡単には長さを調整できません。
木製のタイプの長さを調整するには、底のゴムチップを外して、のこぎりなどで杖を切って調整し、また底にゴムチップをつけるということになります。
木製を買うようでしたら、初めから長さの合っているものを買うのがいいと思います。
金属製のものも調整できる幅は決まっていますので、極端に背が高い方や低い方は気を付けてください。
長さを確認してから合っている物を購入する必要があります。
アルミはとても軽いタイプがあります。
木製のタイプは軽量をうたっているアルミの物に比べて重いです。
■4点杖
T字杖と似ていますが、地面との接地部分が4つ足になっています。
4つ足の幅が広いほど安定感が増しますが、4つの足がしっかり地面につくように真っすぐつくことが基本であることと、T字杖より重いことにより、大股で早く歩ける方は使いにくいです。
杖に頼ってゆっくりゆっくり歩く方で、T字杖では不安定という方が四点杖を使います。
四点杖は、歩けなかった方が歩行訓練を始める時に、『平行棒(手すり)→四点杖→T字杖』というように、リハビリの手段として使うことが多いです。
S字になっているタイプは、立ち座り時に低い部分に手をかけて使うことができます。
杖から手を放しても立てておけるように4点や3点になっているものもあります。
こういったものは、見た目が4点でも、下がそれほど広がっていないため、安定性自体はそこまで高くないです。
2、杖の選び方
■T字杖
少し不安定になってきたので杖を検討されている方で、折り畳みが必要ない場合は、通常のT字杖でいいと思います。
選ぶ時は次のようなところに注意してください。
●グリップは太い方が持ちやすくて安定しますが、手が小さい方だと細めでないとしっかり持ちにくい場合があります。
●変わった形(グリップが傘の柄のように丸い、鷹の形をしてるなど)もおしゃれでいいですが、体重はかけにくいです。
そういう杖は持つ方は『念のため持つ』くらいの不安定さの方にしてください。
●杖をつま先から前に15cm、外側に15cmの位置についた時に、肘がまっすぐの状態から30度曲がったくらいの位置になるような長さの杖を選ぶというのが正しい選び方ですが、通販で購入しようと思ったら杖の長さで選ばなければいけません。
販売店によれば、『身長÷2+2~3cm』が目安となる杖の長さとのことです。
丁寧に対応身長が書いてある物もあります。
常に杖を使わず、時々使うという場合には、折り畳んでバッグに入れて置けるタイプが便利。
けれども、折り畳みタイプは引っ張るとバラバラに抜ける(中でゴムでつながっている)ようになっているため、施設などで椅子についている杖入れの筒から抜こうとした時などに下のゴムの部分がひっかかると、杖の接続部分が抜けてしまうことがあります。
折り畳む必要がないのなら、通常のタイプがよいと思います。
下記の商品例は口コミ300件以上の売れ筋商品です。
≪通常のタイプ≫
≪折り畳み式≫
■四点杖
歩行が不安定で杖に頼ってゆっくり歩く方で、T字杖では不安定な方には四点杖がむいています。
今まで車椅子で、やっと歩き始めるというリハビリ段階の方の場合もこういうのを使います。
四点をしっかり地面に接地させないといけないため、普通の速度で歩ける方にとっては歩きにくいため、一般の方でこのタイプを購入する方は少ないです。
足幅は狭めの物と広めの物があり、広いほど安定感が増します。
■自立する杖(4つ足)
T字杖とほぼ同じですが、下が3つか4つに分かれていて、手を放した時にそのまま倒れず立ちます。
ライトがついているようなものもあります。
一般的な物ではなく、利便性を考えたアイデア用品といったところでしょうか。
杖の置き場に迷うこともあるので、こういったものも便利だと思いますが持っている方は少なめです。
T字杖よりは杖先が重いため、早く動かそうと思うと腕に負担がかかるので、早く歩く方には不向きです。
3、その他の便利品
■傘の中に杖
傘と杖が一体になっているものがあります。
完全に一緒になってしまっていて、傘として使う時は杖として使用できないものもありますが、こちらは傘の中に杖が仕込んであるタイプなので、傘と杖を別々にして使うことができます。
雨の日には滑ったりして危険なのでできれば外出は避けた方がいいですが、雨が降りそうでも気にせずおでかけしそうであれば、こういったものもいいと思います。
■杖ホルダー
杖が倒れないようにつけてテーブルなどにひっかけられるものです。
シンプルなものから遊び心満載のかわいいものまであります。
■写真・名前入りキーホルダー
プレゼントにもぴったりな写真と名前を入れられるキーホルダーです。
お孫さんの写真入りのキーホルダーをプレゼントにもらってつけてる方をたまに見かけます。
こちらのタイプは裏に名前を入れられるので、施設などでも誰の杖かすぐ分かったり、何かあった時にも名前がすぐわかるので便利です。
最初からネームプレート付きの杖もあります。