手や指先のリハビリ器具、おもちゃ
脳梗塞や脳出血などを起こすと、手や足に麻痺がおきます。
麻痺や軽度のものから重度のものからまであります。
重度の場合は自分で訓練をするのはなかなか難しいですが、なんとなく使いにくいという場合にはどんどん使っていくことで動きがよくなっていきます。
また、少し動くという場合には、積極的に動かすことでさらに動くようになることもあります。
手の手術をした場合も同様、最初はぎこちない動きでも、リハビリをすることで動き易くなってきます。
病院や施設のリハビリの時間には主に作業療法士が指導して行いますが、デイケアでのレクレーションでも、塗り絵や習字などをリハビリとして行っています。
自宅でも、同じようにすることができます。
手や指先のリハビリは、特別な物を使わなくても大豆やおはじきをつまんで移動させたり、洗濯バサミをつまんでどこかにつけたり外したりするだけでも効果があります。
ただ、リハビリグッズがあった方がやる気が出たり、やりやすかったりする動きもあるので、自宅での手先のリハビリによさそうなリハビリグッズやおもちゃを紹介します。
手が全く動かない方
リハビリグッズを使って行うリハビリは、基本は、手が少しでも動く方向けの物になります。
麻痺している手が全く動かない場合は、使うことができません。
麻痺している手が動かない場合には、反対の手を使って指先や腕を伸ばしたりして、固まってしまうのを予防します。
ワイピング
テーブルの上にタオルを置いたら麻痺している手を乗せ、その上に動く手を置きます。
可能であれば指は伸ばすようにします。
テーブルを雑巾がけする感じで前や左右に動く方の手で動かし、肩、肘などを伸ばすようにします。
動く方だけに頼らず、麻痺している側の手も動かすことを意識することで刺激になります。
滑車(プーリー)
リハビリ室では、写真のような滑車(プーリー)という物も使います。
肩や肘関節の曲げ伸ばしをして、固まらないようにするものです。
自宅で使えるようなドアに挟むタイプや鴨居や引っ掛けるタイプも売っているようです。
自分の力で握れない方が使う場合は、固定用の手袋用意し、介助者に付けてもらって行います。
リハビリ用品・代用玩具
ここでは、病院や施設などでも使われるリハビリ用品、その代用になる玩具などを紹介します。
片麻痺や手や指の骨折後など指先の動きが悪くなってしまっている方のリハビリに使います。
穴に棒がささっていて抜き差しするペグは病院や施設では定番のリハビリ用品です。
ペグ(手指の運動)
立体ペグボード(楽天市場) | 中型ペグボード(楽天市場) |
ある程度動かせるけれど、動きがぎこちない方に使えます。
穴に順番に棒をさしていったり、さしてある棒をひっくり返していったりします。
太い物より細い物の方がつまみにくく難しいです。
ペグの代用になるおもちゃ
幾何学ペグボード(楽天) | |
ハノイの塔(楽天) | |
ベーシックパズル(楽天) | |
プラステン(楽天) |
こちらは子供向けの知育おもちゃですが、リハビリ用のペグとほぼ変わらないものもあります。
エイジレス玩具(年齢問わない)というのもありました。
認知症やプライドの高い方などは、「子供のおもちゃなんてバカにして!」と思わ れる方もいるかも知れませんので気を付けてください。
セラパテ・セラプラスト
指や手のひら、手首を鍛えるのに良い治療用の粘土のような物です。
握ったりつまんで引っ張ったり、何かを作って楽しみながら行ったり。
粘土状ですが、普通の粘土と異なり、容器の外に出しておいても固くなったり乾燥したりしません。
6種類の固さがあり色で区別します。
ベージュが一番柔らかく、黒が最も硬いです。
ベージュ(スーパーソフト)⇒ 黄(ソフト)⇒ 赤(ミディアムソフト) ⇒緑(ミディアム) ⇒青(硬いタイプ)⇒ 黒(スーパーファーム)
類似品
握ってつぶすだけで練習用でしたらこういった物もあります。
両手を使ってひねることもできるようです。
ハンドクロストレーナー
指を開く力の筋トレもできる器具です。
もちろんつまむ方向に力を入れる訓練にもなります。
柔らかいので握ってもいいと思います。
両手で使って引っ張りあうことで、手首の訓練もできるようで、使い方はいろいろです。
リハビリになるおもちゃ
リハビリ室で見たことはないけれど、手のリハビリ用品として売られているものや、おもちゃなどを紹介します。
リハビリ室でも、決まったリハビリ器具だけではなく、いいなと思う物はなんでも使います。
これ以外にも、手を使ういいものがありましたら、いろいろチャレンジしてみてください。
箸タイム
お箸でのつまむ動作を行うリハビリ器具です。
ピーナッツ型の物とリング型の物があり、それらを箸でつまんで移動させます。
こちらのおすすめポイントはリング型の方!
ピーナッツ型だけなら、自宅にあるもので代用できますが、リングはとても良くできていて、つまむだけでなく、開く力で持ち上げることもでき、両方の筋肉を鍛えられます。
また、リングを裏返したり、積み重ねたり、様々な使い方ができ、ゲーム台紙の上に決まった置き方で移動させていくゲームもあって、頭を使っていろいろな動かし方を楽しく行うことができます。
動画が分かりやすいのでよかったら見てみてください。
ギフトにもおすすめです!
立体パズル
形合わせの立体のパズルは紙のパズルよりも持ちやすいです。
さまざまな形のピースを組み合わせ、枠に収まるように頭を使って入れていきます。
こちらは3歳から大人まで難易度を変えて使えるもののようです。
仕切りをつけて難易度を変えることもできます。
認知症予防にもいいですが、手に持って向きを変えたりするため、手の運動にもなります。
木の知恵の輪(紐抜き)
紐を上手く抜いていく知恵の輪です。
口コミをみると大人でも難しいようです。
こちらも頭を使う器具ではありますが、紐を穴に通すという動作は手のリハビリにもなります。
ルービックキューブ
言わずと知れたルービックキューブ。
面の色をそろえるようにひねって回します。
もちろん頭を使いますが、手首をひねって回転させるので手の運動にもなります。
考えるだけでも大変なので、あまりに手が動きにくい方はストレスがたまるかもしれないので、やめた方がいいかも知れません。
木製の立体型はめパズル
木製の立体パズルです。
9ピースと8ピースでできており、サイズも1辺が6cmなので小ぶりで邪魔にならずおいておけます。
知育玩具として子供用として売られているようですが、子供に買ったものの親が夢中になっているという口コミもありました。
手が不自由な状態で形に合わせてはめていく動作はかなり難易度が高いです。
だいぶ動くけれどもっとスムーズに動くように練習したいという方に、遊び感覚でやっていただくのによいのではないでしょうか?
ハイパークルミ
クルミの形をした手の中で、手のトレーニンググッズです。
磁石になっていて、二つがくっつきます。
右回し、左回しと手の中で転がすことで手のリハビリになります。
手を握ったり開いたりができても、麻痺が少しでも残っている方は繊細な動きが難しいものです。
軽度麻痺の方の巧緻性の向上によさそうなリハビリグッズです。
暇つぶし&余暇活動
趣味の一環としてや暇つぶしとして、手を使う活動を行うことでリハビリになります。
施設でも、塗り絵や書道、写経などを行ったりします。
大人の塗り絵
こちらは大人向けの塗り絵です。
大人用ということで見た目が綺麗なので、楽しく使ってもらうことができます。
細い鉛筆を持って、はみ出さないように小さく動かす動作はかなりの巧緻性(調整しながらの細かな動き)が必要です。
字を書いたり、色を塗ったりする動作は巧緻性のリハビリになります。
ほんとに好きな方は、グラデーションつけて塗ったり、重ね塗りしたり、とてもきれいに塗って楽しんでいます。
ギフトに最適なクーピーとのセットもあるようなので、プレゼントでしたらこういった物もよさそうです。
水書きお習字練習シート
水で書けるお習字シートで、乾くと消えるので何度も使えます。
墨汁を使うのと違い汚れずにすみます。
施設でも、手の運動、脳の活性化として書道は取り入れられています。