【家族向け】片麻痺・パーキンソン病の方などの歩行介助の方法・注意点

お年寄りの歩行介助

脳梗塞による片麻痺や膝痛や筋力低下などにより歩行が不安定な場合、老人施設で歩行介助は介護士が行います。

リハビリでは理学療法士が付き添って歩行訓練を行います。

そしてご家庭ではご家族が行うことになります。

介護士や理学療法士は歩行介助を学んでいますが、ご家族は全く分からない状態で行わなければいけません。

ここでは、ご家族が歩行介助をする際の注意点、軽度の方の介助の方法を紹介します。

一般的な一例になりますので、障害や体格によって行いやすい方法を見つけてください。

重度の方の歩行介助となると、ケースバイケースになってくると思うので、軽く支える程度の方の一般的な介助のポイントを紹介します。

≪目次≫

1、介助する理由

2、転倒防止のための介助(ふらつく)

3、歩くのを助ける介助

4、パーキンソン病の方の歩行介助

5、その他の注意点

1、介助する理由

まず、介助と言ってもどれくらい介助するかによって、介助の仕方が変わってきます。

①一人で歩くと転ぶ可能性があるのでそれを防止する程度の付き添い介助

②介助しないと歩けない(立てない・進めない)方の支える介助

このどちらかになると思います。

介助の目的によって、介助者のかかわり度合いが変わってきます。

基本は介助者の立ち位置は足の悪い側(患側)になります。

上の画像は家族の立つ位置が逆ということになります。

2、転倒防止のための付き添い(ふらつく)

まずは、一人で歩けないことはないけど、もしかしたら転ぶかも知れないという方の介助です。

足が悪い側について介助します。

介助者は歩く方の邪魔にならないように特に気を付けます。

なんとか歩ける程度なのに、それを阻害するような介助をすると歩きにくくなり、バランスを崩したり上手く進めなくなったりします。

介助しなくても歩ける方の場合、腕をがっちりつかんでしまうと歩きにくくなります。

人間が歩く場合、自然と重心が右に左に動きます。

家族が介助する場合、転ばせないようにとガッチリと腕をつかんでしまって、左右への重心の動きが妨げてしまう場合があります。

よろける心配がある程度の場合は、足の悪い側のわきの下に軽く手を入れて、二の腕に軽く添えるくらいがよいです。

脇の下に手を入れていることで、バランスの崩れを感知しやすいですし、いざバランスを崩した時に支えやすいです。

バランスを崩しかけた時、大きく崩れてから支えようとするとかなりの力が必要となり、共倒れする可能性があります。

大きくバランスを崩す前であれば、軽い力でもとの位置に戻せますし、腕をつかんでもそれほど負担がかかりません。

一緒に歩く方は、常にバランスの崩れに気にして、よろけたと思ったらすぐに支えましょう。

ほとんどバランスを崩さず、手をつないでるだけで支えられるなら手つなぎでも大丈夫です。

この場合、片手が麻痺しているようなら、麻痺していない側について手をひくことになります。

麻痺側がつまづいたり崩れたりしやすいので注意してください。

麻痺側を介助する場合、麻痺で肩が亜脱臼している方などは、腕を強く支えると脱臼が悪化する場合があるので気を付けましょう。

狭い場所で横に並べず後ろについて介助する場合は、両肩に軽く手を乗せます。

前にバランスを崩したり、横にバランスを崩したりした時に肩からコントロールしてすぐ戻せるようにします。

後ろからの介助の場合、膝折れを支えるのは難しくなります。

 まとめ 

●足の悪い側につく

●動きを制限しないように、軽く触れる程度にする

●手つなぎよりも脇の下あたりに手を入れた方が支えやすい

●バランスを崩しかけたらすぐに支えてもとに戻す

3、歩くのを助ける介助

支えがないと歩けない場合は、体重を支え、重心の位置をコントロールしてあげるつもりでしっかり介助します。

横につく場合と、前につく場合があります。

どちらの場合も、左右への重心移動を意識し、振り出す側と反対の足(支える側)に体重が乗るようにしてあげるのが基本です。

前後への重心もどちらかに行きすぎないように気を付けます。

また、麻痺している足は、本人は前に出したつもりでも出ていないことがあるので、気を付けて見るようにします。

長く歩くと特に足の出が悪くなってきたりします。

■横で介助する場合

横につく場合は、悪い足の側につきます。

わきの下に手を入れ、腕を支えます。

わきの下に直接圧がかかり過ぎないよう、脇の下にひっかけるのではなく腕を持ちます。

腕だけでは心配な場合は、ズボンの後ろも持ちます。

家の中で短距離歩く場合のみです。

これは腕だけでは支えられない場合に仕方なくという場合で、大きくバランスを崩すと破けるリスクはありますし、お尻にくい込みますのでできればズボンは引っ張らない方がいいです。

ズボンを持つ場合に、左につく場合は、右手をズボンの後ろ、左手で腕を持ちます。

悪い側の足を出すときには、いい側に体重がかかるようにし、悪い側のつま先が引っかからないか確認しながら歩きます。

介助で前に引っ張り気味にすると、足が出しにくくなり、ひっかかってしまうだけでなく、足が出ていないのに上半身だけ前に行ってしまうのでバランスを崩して転倒します。

引っ張らずに、同じペースで歩きます。

つま先がひっかかり気味の場合は、振り出すときにやや持ち上げ気味にすると出しやすい場合があります。

体が丸まっているようなら、背筋を伸ばして体を起こすように声をかけます。

悪い側の足が麻痺している場合、体重をかけた時に膝がガクッと曲がること(膝折れ)があります。

膝折れを起こしやすい場合は、いい側の足を出すときには、いつ膝折れしてもいいように少し持ち上げ気味に支え、麻痺側の膝に全体重がかからないようにします。

ただし、体重がかからないようにいい方に押してしまうと、いい方の足が振り出せません。

いい方の足を振り出すときは、介助者側に引き寄せた状態で、少し持ち上げるように支えます。

重心は常に振り出す側の足ではない足に乗っているようにします。

■前で介助する場合

膝折れの心配がない場合や、左右へ大きくバランスを崩さない場合は前方からの介助でも大丈夫です。

重い方で横に大きくバランスを崩す場合は前方からでは支えきれない場合があります。

軽度の介助であれば、両手をつなぐ感じでで大丈夫ですが、ふらつきが強い場合には、お互い肘の上あたりをつかむようにした方がコントロールしやすく安定します。

前方へ引っ張り過ぎるとつま先に重心が乗って前のめりになってしまい振り出しにくくなります。

左右への軽い重心移動も妨げないよう、自然な姿勢になるように介助します。

 まとめ 

●足の悪い側につく

●左右への重心移動を考えて介助する

●麻痺している足が振り出せているか目で確認する

●重心の位置を常に意識し、バランスを崩しかけたらすぐに支えてもとに戻す

●前に引っ張りすぎない

4、パーキンソン病の方の歩行介助

パーキンソン病の方の場合も、支え方は上で紹介したのと同じですが、違う点があります。

パーキンソン病の場合、『すくみ足』という症状があり、最初の一歩が出にくくなります。

小走りになって自分では止まれなくなる『突進歩行』という症状もあります。

■すくみ足

すくみ足は、本人が歩き出そうとしても足が地面にへばりついたようになり、足を上手く前に出ません。

その場合、何かをまたごうとしたり、声をかけて落ち着いて一歩踏み出そうとすると多少出やすくなります。

リハビリでは、本当に足が出なくなってしまっている方は、棒を等間隔に並べて一歩ずつまたいで歩く練習をしたりします。

生活場面で何かを前に置いて歩きだすのは難しいかも知れませんが、一歩出すときに何かきっかけをあげると振り出しやすいです。

つま先辺りがひっかかってることが多いため、『つま先を上げて踵からつく』というように声掛けをして、意識して大きく前に振り出してもらうと、一歩がでやすかったりします。

その場合、人によっては極端につま先を上げて大きく振り出し過ぎてバランスを崩す方もいるので、そこは気を付けてください。

介助する側が焦って前に引っ張り気味になると、つま先に重心が乗ってしまってよけいに一歩が出なくなります。

重心が前に行きすぎないように、焦らず介助します。

出そうとして足が出なかった時は、一旦やめて落ち着いてからもう一度「せ~の!」など声掛けをして歩き出します。

■突進歩行

歩き出すと小走りになって止まれなくなることがあります。

そのような場合、上半身が前のめりになってどんどん突っ込み気味になって加速してしまうので、上半身を起こして止めてあげられるようわきの下辺りの腕を支えましょう。

手をつないでいるだけだと支えきれず前に転ぶ可能性があります。

速足になってきたら早めに一度止まって、再度歩き出す必要があります。

 まとめ 

●すくみ足、突進があることを頭に入れておく

●すくみ足状態になったら声掛けして一歩を出すきっかけを作る(踵から接地する)

●速足になってきたら一旦止まる

●前に引っ張らない

●前のめりになっていたら体を起こすよう声をかける

5、その他の注意点

歩いている時も転倒の危険はありますが、椅子に座る時も危険があります。

やっと歩けている方は、椅子を見ると慌てて座ろうとし、足の向きをまだ変えきれていなかったり、十分椅子に近づけていないのに座ろうとします。

その場合、深く座ることができず滑り落ちたり、椅子にぶつかって椅子ごと倒れたりします。

慌ててしまう方の場合は、「ゆっくり向きを変えてから」など声掛けをしながら行うと効果がある場合もあります。

声掛けしても慌ててしまう場合は、ガッチリ介助して支えながら、安全に座れるように介助者がコントロールします。

どのようにしたらいいか分かない場合は、通っているデイケアや訪問リハビリの理学療法士や介護士に聞いてみましょう。

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