デイサービスやデイケアに通ってくるおじいちゃんおばあちゃんは、早く体をよくしたいと思っている方がほとんどです。
運動が好きではなく、『リハビリをしてもらってよくなりたい』と思っている方も多いですが、家でも自主トレをしたり 『積極的に自分でリハビリをしてよくなりたい』という方もいます。
どちらがいいかと言えば、もちろん、
『自分でリハビリをしてよくなりたい』
という方です。
家でもリハビリは必要
デイサービスやデイケアに通うのは週2、3回の方がほとんどです。
一週間の間の週2、3回、ちょこちょこっとリハビリをしただけではよくはなりません。
維持するのがやっとです。
リハビリ特化型のデイサービスのように一回に2時間くらいリハビリをしていればまだいいですが、週に2~3回、1回数十分のリハビリでは不十分です。
しっかり維持したり、よくしていくためには、通所施設で行ったようなストレッチや筋トレを家でも行う必要があります。
リハビリのやり過ぎは危険
自宅でのリハビリを行う場合、積極的過ぎて危険な場合があります。
積極的にやり過ぎてしまったがために悪化してしまっては元も子もありません。
下記の点に注意して行いましょう。
心疾患
まず、血圧が高い、心疾患があるなど、心臓に病気がある方の場合は過度の運動は命の危険があります。
リハビリ施設でもそういう方の場合は血圧を測りながら行ったり、運動のし過ぎには気を付けています。
自宅で行う場合も、医者やリハビリスタッフに指示された範囲で、血圧を測ったりしながら気を付けて行いましょう。
呼吸器疾患
呼吸器疾患のある方も注意が必要です。
本人は息苦しさに全く気が付いていなくても、体内の酸素量が減っている場合があります。
病院に通うほどの呼吸器疾患の方は説明されていると思いますが、指を挟むだけで簡単に酸素量が測れるパルスオキシメーターというものがあります。
コロナ禍でパルスオキシメーターもかなり認知されましたね。
パルスオキシメーターでしっかりと酸素度を確認しながら運動しましょう。
通常、酸素飽和度は98%、99%はあります。95%以上あればまあ大丈夫です。
運動すると多少下がりますが、90%以下になったらかなり低いです。
苦しさを感じなくても、医者から指示された%より下がらない範囲で行いましょう。
筋肉痛
内科的に疾患がなくても、運動のし過ぎで足がガクガクしてしまうと転倒の危険が出てきます。
ふだんから少しずつ運動をして強度を高めていくなら大丈夫ですが、いきなり頑張りすぎると筋肉痛になり、足がガクガクして力が入りにくくなることがあります。
運動している時は気が付かなくても、時間が経ってからなる場合もあります。
過度の運動は避けましょう。
不安定な歩行
頑張り屋さんの方の場合、不安定な歩行でも、杖や歩行器を使わず頑張ってやった方がよくなると思ってしまうことがります。
リハビリ施設でも、杖を使って歩行訓練をしたり、杖なしの歩行練習の時には必ず付き添ってもらって行っているのに、自宅に帰ると杖なしで家の周りを歩く練習をしているというような方がいます。
難しいことをしたからよくなるわけではありません。
転んでしまって骨折をしたら、体の状態は振り出しどころか以前よりひどい状態になる場合もあります。
また、膝が痛いのに杖を使わず歩いて膝痛が悪化したり、不安定な歩行で腰に異常な力が入って腰痛が起こしたりすることもあります。
自宅で歩行訓練を行う場合は、安全な状態で歩く練習をするのが基本です。
不安定な状態で短い距離を練習するより、杖や歩行器など補助具を使って安全な状態で長く歩けるように練習します。
杖や歩行器をうまく使いながら、大股でしっかり歩いた方が、安全に歩くのに必要な脚の筋力もつきます。
バランスを取るための歩行の練習は、リハビリ施設などで付き添いをしてもらって行います。
バランスを崩した時に家族が支えることができそうなら、やや不安定な状態で家族についてもらって行うのでもいいですが、痛みなどが出ないよう、絶対に転ばないように気を付けましょう。
麻痺している部分が硬くなる
麻痺している腕や足は、自分の意識とは関係なく硬くなりがちです。
激しく筋トレをしすぎると、どんどん硬くなり動かしにくくなってしまいます。
運動をしてはいけないわけではありませんが、運動後にストレッチをし、元の硬さまで戻さないと日に日に硬くなってしまいます。
ストレッチをしても戻らないくらい硬い場合はやりすぎなので、少し負荷を減らすようにしましょう。
まとめ
体の機能の維持や向上には、毎日少しずつでも自主トレをすることが大事です。
いくらやってもよくならないという方がいますが、年齢を重ねれば自然と体は衰えてくるので、そうならず維持できているだけでもそれはリハビリの効果です。
無理して悪化させない程度の適度な運動を行うようにしましょう。