車椅子の種類と選び方
ネットで車いすを買おうとした時、いろんな種類があって困りますよね。
ここでは車イスの種類と選び方を簡単に紹介します。
細かい種類や選び方は介護ショップのホームページなどで調べてくださいね。
車椅子は大きく分けると【自走式】と【介助式】になりますが、その中でさらに型や機能でざっくりと分けた車椅子の種類一覧がこちらになります。
車椅子の種類・機能一覧 | |
自走式 | 介助式 |
・標準型 | ・標準型 |
・肘掛け跳ね上げ式(機能) | ・肘掛け跳ね上げ式(機能) |
・電動車椅子 | ・リクライニング式 |
※介助ブレーキ付き | ・ティルトリクライニング式 |
※脚部スイングアウト機能付き | ・コンパクトタイプ(軽量) |
※脚部スイングアウト機能付き |
「肘掛け跳ね上げ」は、標準型についている機能という見方もできます。
メーカーによって多少言い方が違ったり、シートが外せる、クッション性がある、背中のたわみを調整できる、ノーパンクタイヤなどいろいろな機能があったりする物がありますが、概ねこのような感じです。
種類
車椅子には用途で分け、大きく分けて、「自走式」「介助式」の2種類があります。
■自走式車椅子
- 自分でこぐ。
- タイヤのところにハンドリムがついていてそれを自分で回して進む。
- 電動車椅子の場合はハンドリムではなく、レバーで操作する。
- 押す部分にブレーキが付いているものもある。
■介助式車椅子
- 押してもらう。
- こちらは押す部分にブレーキがついている。
- タイヤが小さくコンパクト。
選び方・サイズ
車椅子を選ぶ時に気を付けたいのがサイズです。
合わないサイズを使っていると、ずり落ちたり、足が届きにくくこぐことが難しかったりします。
サイズは次のように選びます。
横幅:お尻の横が左右2.5~3cm空く程度
- 座った時に両サイドが2.5~3cm程度空くサイズが最適。
- 大きすぎると左右にぐらついたり、こぐときにリングに手が届きにくい。
- 病院で使っているような共用の物は誰でも使えるように大きめにできでいる。
- 座った状態でヒップの横幅を測り、それに5~6cmを足した幅の車椅子を選ぶ。
奥行:深く座った時、足が少し前に余って飛び出すくらい
- 膝裏が座面(座っている部分)から2.5~5cmくらい離れているのちょうどいいサイズ。
- 隙間がないくらい深いのだと、足でこぎにくい。
高さ:足がしっかりついてこげる
- 高い方が立ち上がりがしやすい。
- しかし高過ぎると、乗り移りの時に浅く腰かけてしまい滑り落ちる危険がある。
- 両手がきく人は両手のみでこぐ場合もあるが、片麻痺の場合片手片足でこぐので、足がしっかりつくことが大事。
- 病院にあるような一般的な大型の車椅子は高さ45cmのよう。
- 自分用に買う場合、クッションを入れることを考えると42m程度のものにクッションを乗せることが多い。
- ネットで購入するなら、椅子に座ってどのくらいの高さなら足がきちんとつくか確認するとよい。
- おばあちゃんは小さい方も多いので注意。
肘掛け部分が長い物と短いものがあり、それぞれ利点欠点があります。
長い方が乗り移りの際、前の方につかまって立ち上がりやすく、支えにもしやすいのですが、短い方がテーブルにぶつかりにくいです。
脚部スイングアウト機能は、フットレスト(足を乗せる部分)を横に開いたり、外したりできる機能で、これによりベッドにくっつけやすくなります。
楽に移れる場合は特にこの機能は必要ありませんが、全介助での乗り移りや、立位があまり取れず大変な場合は、この機能があった方がよいです。
自走式(介助も可)
自走式とは、タイヤが大きく、タイヤの横に手で持って回すリングがついていて自分で動かせるようになっているタイプです。
電動車椅子は、回るリング(ハンドリム)がなく、レバーで動かす形になります。
病院にあるような自走式タイプは介助用のブレーキがついていないものが多いですが、家庭用に売っているものは介助もできるよう介助者用のブレーキがついているものも多いです。
少しでも自分でこぐ可能性がある場合は、自走ができるタイヤの大きいものがよいです。
一般的な形(自走式)
肘掛けが固定のタイプです。
写真の物は、介助ブレーキが付いていますが、ついていないものもあります。
肘掛跳ね上げ式(自走式)
肘掛の部分があげられるため、しっかりお尻を上げて立ち上がらなくても、横づけしたベッドにスライドして移ることができます。
肘掛け跳ね上げ式は、脚部スイングアウト機能がついているものも多いです。
主に介助で乗り移りをする方が使用します。
介助量が多かったり、跳ね上げられれば自分で移れるという方にはいいのではと思いますが、お年寄りでが自分で外して移っているのはあまり見かけません。
機能がついている分、重さは重い傾向にあります。
介助式
自分でこがない分、タイヤが小さくコンパクトな物が多いです。
回すためのハンドリムという物もタイヤについていないため、自分ではこげません。
タイヤを持って回すことも考えられますが、タイヤが小さいので届かないかと思います。
今後こぐ練習をしていくという場合には、介助用ではなく通常の車椅子にしておきましょう。
通常の自走式の車椅子(タイヤが大きく、ハンドリムもついている)に介助ブレーキがついているタイプも多いので、そういったものにしておくとどちらの使い方もできて便利です。
介助用は体の具合、用途によっていくつかのタイプがあります。
- 一般的な形
- 肘掛は跳ね上げ式
- 簡易タイプ
- リクライニング車椅子
- ティルトリクライニング車椅子
一般的なタイプ(介助用)
肘掛けが固定のタイプです。
自走用と違うのは、タイヤが小さくて自分では回せないことと、必ず介助ブレーキが付いていることです。
肘掛跳ね上げ式(介助用)
肘掛の部分があげられるため、しっかりお尻を上げて立ち上がらなくても、横づけしたベッドにスライドして移ることができます。
肘掛け跳ね上げ式は、脚部スイングアウト機能がついているものも多いです。
主に介助で乗り移りをする方が使用します。
介助量が多かったり、跳ね上げられれば自分で移れるという方にはいいのではと思いますが、お年寄りでが自分で外して移っているのはあまり見かけません。
機能がついている分、重さは重い傾向にあります。
簡易タイプ
車椅子に乗るほどではないけど、外出先で長く歩くのはつらいという方や、自宅内が狭いから通常の車椅子は通れないというような時にはコンパクトな簡易的なのものもよいです。
ベビーカーの様に小さく畳めます。
肘掛下のガード(スカートガード)がないので、バックなどを横におくことができません。
また、クッションは横にはずれやすく、ひざ掛けなどは横に垂れてしまうので、タイヤに巻き込みやすいです。
長時間座ることを目的としていないため、座り後心地は他の物よりは劣ると思われます。
長時間座るにはコンパクトタイプではなく、座布団を敷けるようなしっかりした物を選んだ方がいいので、用途に応じて選ぶとよいです。
リクライニング車椅子
介助式の車椅子の中には、リクライニング車椅子と、ティルトリクライニング車椅子というものもあります。
どちらも背もたれが頭のところまであるので、姿勢が保てず、体が前や左右に傾いてしまう方に適しています。
リクライニング車椅子は、背もたれを倒して使えるタイプの車いすです。
背もたれが頭のところまであるので、姿勢が保てず、体が前や左右に傾いてしまう方に適しています。
リクライニング式の中でも背もたれ180度近く倒れてストレッチャーのようになるものをフルリクライニング車椅子といいます。
眠ってしまったりする方は転倒防止のためやや後ろに傾けて使用するとよいです。
ティルトリクライニング式車椅子
ティルトリクライニング式車椅子は、背もたれが倒れる(リクライニング)機能に加え、座っている座面ごと傾けることができる機能(ティルト)がついています。
背もたれを倒すだけだとお尻が前に滑りやすくずり落ちてしまう場合は、座面ごと傾けられる(前をあげられる)こちらの方がよいです。
施設で使うのはだいたいこちらです。
足側も少し持ち上がってお尻の部分でV字になるので前へ滑り落ちにくいです。
こちらは高いのでレンタルもよいと思います。
まとめ
車椅子は、体の状態、用途によって選ぶタイプが違ってきます。
リクライニング車椅子などは高いので、レンタルがおすすめです。
自分でこぐ場合、高さが高すぎると足でかじを取りにくくなるため、ちょうどよい高さを選ぶ必要があります。
厚めの座布団を入れるようであれば、その分を考えた高さにしましょう。
自走式車椅子
- 利点:自分で車椅子をこぐ部分がついている
- 欠点:大きい、介助ブレーキが付いていないものもある
介助式車椅子
- 利点:自走式よりコンパクト、介助ブレーキがついている
- 欠点:自分ではこげない
簡易式車椅子
- 利点:とてもコンパクトで持ち運びやすい
- 欠点:自分ではこげない、座りごこちが悪い
リクライニング車椅子
- 利点:体が倒れてしまうのを防げる、そのまま眠れる
- 欠点:大きくて重くて広い場所でないと扱いにくい
電動車椅子
- 利点:手でこぐ力がなくても指先の操作で進める
- 欠点:大きくて重くて広い場所でないと扱いにくい
※肘掛跳ね上げ式(機能)
- 利点:お尻を横にスライドしてベッドに移れる
- 欠点:少し重い、自身で外すのはけっこう難しい
※脚部スイングアウト機能
- 利点:ベッドぎりぎりにくっつけやすい
- 欠点:少し重い