車椅子を使う時の注意点・アドバイス|安全に移動するためのポイント

車椅子を使う時の注意点・アドバイス

車椅子は歩行が難しい方の移動を助けてくれる便利な福祉用具ですが、使い方を間違えると転倒や転落につながることがあります。

ここでは、病院や介護施設で多くの利用者を見てきた理学療法士の経験から、「これは知っておいてほしい」と感じる車椅子使用時のポイントを紹介します。

車椅子の基本的な種類や選び方については別の記事で紹介していますので、ここでは安全に使うための注意点を中心に解説します。

車椅子を安全に使うためのポイント

① 手で進み、足は方向を調整する

脳梗塞などで片麻痺がある方は、片手と片足を使って車椅子を操作することが多くなります。

その場合は、前へ進む力は手で、方向を調整するのは足が基本です。

片足だけで進もうとすると非常に疲れやすく、思うように動けません。

まるるん
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【ワンポイントアドバイス💡】

座面が高すぎると足が床につきにくくなり、方向転換もしづらくなります。クッションを追加した時は足がしっかり床につくか確認しましょう。

② タイヤの空気は定期的に確認する

車椅子のタイヤも自転車と同じように空気が減ります。

空気が少ないと車椅子が重くなり、操作しづらくなるだけでなく、ブレーキの効きも悪くなります。

移乗時に車椅子が動いてしまう原因にもなるため、定期的に空気圧を確認しましょう。

③ 軽量車椅子は引っ張ると動きやすい

軽量タイプや介助用車椅子は持ち運びには便利ですが、立ち上がる時に車椅子を引っ張ると前方へ動きやすくなります。

立ち上がる時は車椅子ではなく、肘掛けや手すりを利用しましょう。

④ 立ち上がる時は姿勢を整える

立ち上がる時は次の順番を意識すると楽になります。

  • 少し前へ座り直す
  • 足をしっかり引く
  • 身体を前へ倒す
  • 足に体重を乗せて立ち上がる

また、座面を少し高くすると立ち上がりやすくなることがあります。

まるるん
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ただし、高くしすぎると足が床につきにくくなるため注意しましょう。

⑤ 小柄な方は背中にクッションを入れる

小柄な方では座面の奥行きが深すぎて、背中を付けると足が床につかなくなることがあります。

その場合は背中へクッションを入れて奥行きを調整すると、姿勢が安定し足も届きやすくなります。

⑥ 麻痺した腕は肘掛けとの当たり方に注意

麻痺がある腕は痛みを感じにくく、肘掛けに長時間当たっていても気付かないことがあります。

そのままでは褥瘡(床ずれ)の原因になるため、必要に応じてクッションやタオルを挟みましょう。

まるるん
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【知っておきたい知識💡】

赤みが消えない場合は床ずれの初期症状のことがあります。毎日皮膚の状態を確認しましょう。

⑦ 落ちた物を拾おうとして前へ転ばない

車椅子から前屈みになって物を拾おうとすると、前方へ転落することがあります。

片麻痺の方では麻痺側の足が車椅子の下へ入り込み、そのまま前へ倒れてしまうケースもよくあります。

まるるん
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【理学療法士の予防アドバイス💡】

車椅子の後ろが持ち上がってしまうこともあります。床に物が落ちた時は無理をせず、介助者にお願いしましょう。

⑧ ブレーキは必ずかける

移乗する時は必ず左右両方のブレーキをかけます。

「すぐ戻るから」「少しだけだから」とブレーキをかけずに移ろうとすると、車椅子が動いて転倒する危険があります。

特にベッドとの移乗では必ず確認してください。

⑨ フットプレートを上げてから立ち上がる

立ち上がる前には、足を乗せるフットプレートを上げておきましょう。

下げたまままたごうとすると足が引っ掛かり、転倒しやすくなります。

フットプレートへ足を乗せたまま立ち上がると、車椅子が前へ傾いてしまうため危険です。

まるるん
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【介護施設で見てきた工夫💡】

認知症などで毎回忘れてしまう方では、施設でフットプレートを外して使用することもあります。

⑩ 厚いクッションは横転にも注意

床ずれ予防クッションはとても大切ですが、厚すぎると座面が高くなります。

その結果、肘掛けが相対的に低くなり、身体を支えにくくなって横へ落ちやすくなることがあります。

クッションは体格に合った厚さを選びましょう。

⑪ 車椅子で寝てしまう場合は対策をする

車椅子に座ったまま眠ってしまうと、身体が横へ傾いて転落する危険があります。

片麻痺がある方では、自分で体勢を戻せないこともあります。

長時間座って過ごす方には、リクライニング車椅子や車椅子用テーブルの利用も有効です。

まるるん
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施設では安全ベルトの使用が身体拘束になる場合があります。安全対策は担当職員と相談して決めましょう。

⑫ ブレーキレバーを長くすると操作しやすい

ブレーキが遠くて届きにくい方や、握力が弱い方ではブレーキ操作が負担になることがあります。

そのような場合は、ラップの芯など軽い筒状のものをブレーキレバーへ差し込むと、届きやすくなり少ない力で操作できます。

まるるん
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【介護施設で見てきた工夫💡】

介護施設ではラップの芯へカラーテープを巻いて、見た目もきれいに工夫して使っていることがあります。

車椅子で事故を防ぐために毎回確認したいこと

  • ブレーキは左右ともかかっているか
  • フットプレートは上がっているか
  • タイヤの空気は十分入っているか
  • 足は床につく高さになっているか
  • 座る位置は深すぎたり浅すぎたりしていないか
  • 身体が左右どちらかへ傾いていないか

まとめ

車椅子は正しく使えば、安全で行動範囲を広げられる便利な福祉用具です。

一方で、ブレーキやフットプレート、タイヤの空気圧など、ちょっとした確認を怠るだけで転倒や転落につながることがあります。

毎回の確認を習慣にし、安全第一で車椅子を使用しましょう。

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■この記事を書いた人(監修)

 理学療法士

   まるるん

理学療法士(27年)/ブロガー(11年)

2000年に理学療法士免許(国家資格)を取得し、病院や介護施設でリハビリ専門職として勤務してきたまるるんです。2015年からは副業でブログも書いています。

これまでの経験をもとに、高齢者の介護や健康、リハビリ、病気、介護サービス、老人ホーム・施設、家族の介護など、暮らしに役立つ情報を分かりやすく紹介します。

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