車椅子を毎日使う方は、座り心地や姿勢を少し工夫するだけで体への負担を大きく減らせます。
車椅子は本来「移動するため」の道具であり、長時間座ることを前提には作られていません。
そのため、お尻の痛みや姿勢の崩れが気になる場合は、クッションや姿勢保持用品を併用することが大切です。
この記事では、車椅子をより快適に使うためのクッションや便利グッズを紹介します。

【PTの福祉用具選びアドバイス💡】
体の状態によって必要なものは変わります。介護される方・介護する方の両方が楽になるよう、自分に合ったものを選びましょう。
車椅子用クッションが必要な理由
車椅子に長時間座っていると、同じ場所に体重がかかり続けます。
その結果、
- お尻が痛くなる
- 姿勢が崩れる
- 左右へ倒れやすくなる
- 床ずれ(褥瘡)の原因になる
などの問題が起こることがあります。
また、麻痺などで体を支えにくい方では、背中用クッションやベルトを併用することで安全性が高まります。
座布団(車椅子用クッション)
車椅子で最も使用することが多いのが座面用クッションです。
一般的な座布団でも使用できますが、車椅子専用クッションは座面サイズに合わせて作られており、体圧を分散しやすいという特徴があります。
車椅子用クッションの種類
| しっかりタイプ | 簡易タイプ |
|---|---|
メリット
デメリット
|
メリット
デメリット
|
床ずれ予防におすすめの車椅子用クッション
| 商品名 | 特徴 |
|---|---|
|
・流動性ゲルで体圧を分散 ・前ずれ、横ずれを防止 ・全面防水カバー ・40×40×5cm |
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・気温で硬さが変わりにくい ・格子構造で蒸れにくい ・水洗い可能 ・40×40×5.5cm |
|
・医療現場でも使用されるタイプ ・防水カバー付き ・40×40×5cm |
|
・ジェル+ウレタン構造 ・介護用品メーカー共同開発 ・防水カバー付き ・40×40×5cm |
※上記は楽天市場で購入できる代表的な商品です。
自分で姿勢を変えられない方は、お尻の一部分に圧が集中しやすく、床ずれができやすくなります。
そのような場合は、福祉用具として販売されている体圧分散性能の高いクッションがおすすめです。
ただし厚みがあるクッションは座面が高くなるため、自分で足を使って車椅子をこぐ方は足が床に届くかも確認してください。
また、前方が高くなった「ずり落ち防止タイプ」は姿勢保持には優れていますが、前へ重心を移しにくくなるため、自力で立ち上がる方には向かないことが多いです。

【PTの福祉用具選びアドバイス💡】
クッションは分厚ければいいというわけではなく、どれくらい自分で動けるかという体の状態に合わせて選ぶ必要があります。
市販の安価なクッションでも十分な場合

自分で立ち上がれたり、姿勢をこまめに変えられる方であれば、高価なクッションでなくても十分な場合があります。
厚みがあり過ぎるクッションは、
- 車椅子をこぎにくい
- 立ち上がりにくい
- 沈み込み過ぎる
ということもあります。
サイズが合っていて、厚みがあり過ぎないクッションを選ぶと使いやすいでしょう。
背もたれ用クッション

車椅子で座っていると、体が左右どちらかに傾いてしまう方がいます。そのような場合には、背中を支える背もたれ用クッションが役立ちます。
左右が盛り上がった形状になっているものは、体を包み込むように支えてくれるため、姿勢が安定しやすくなります。
ただし、小さめの車椅子ではクッションの厚みの分だけ浅く座る形になることもあるため、サイズ選びには注意しましょう。
座面クッションとセットになった商品もあります。
セット品の多くは自分ではあまり動けない方用に作られているため、座面の前方が少し高くなっており、前へずり落ちるのを防ぐ工夫がされています。
一方で、前側が高い座面は重心を前へ移しにくくなるため、自分で立ち上がる方には不向きになります。
介助量が多い方には便利ですが、自力で立ち座りをする方は商品ページで形状をよく確認して選びましょう。

【PTの福祉用具選びアドバイス💡】
「体を支えたい」のではなく「背中が当たって痛い」という程度であれば、市販の薄いクッションや座布団を背中に当てるだけでも十分な場合があります。
肘掛け用クッション

車椅子の肘掛けが硬く、腕や肘が痛くなる場合には、アームレスト用クッションがおすすめです。
クッションを巻くだけで、長時間座っていても腕への負担が軽くなります。
また、汗によるベタつきが気になる場合にも快適です。
マジックテープで簡単に取り付けられる商品が多く、車椅子だけでなくデスクチェアなどにも使用できます。
私はデスクワークチェアに付けていますが、マジックテープで簡単に調整できて便利です。

形状が2種類ありますが、私が使用しているこちらの写真のものは平らな形状の方です。
防水シート
失禁や食べこぼしが心配な方には、防水シートを敷いておくと車椅子を汚れから守ることができます。
表面はタオル地やパイル素材になっているものが多く、裏面は防水加工されています。
洗濯しやすく、介護の負担軽減にも役立ちます。
商品によっては裏面に滑り止め効果があり、座面でずれにくいという口コミも見られます。
車椅子用テーブル

車椅子専用のテーブルを取り付けると、食事や読書、趣味などがしやすくなります。
また、前に倒れやすい方が腕を乗せることで姿勢保持を補助する目的でも使用されます。

【ここがおすすめ💡】
眠ってしまった際に前へ倒れ込みにくくなるため、安全面でも役立ちます。
転落防止ベルト
姿勢保持が難しく、車椅子からずり落ちてしまう方には転落防止ベルトがあります。
現在、介護施設では身体拘束にあたるため原則として使用できません。
しかし、自宅で本人や家族が安全確保のために使用するケースもあります。
使用する際は本人の意思を尊重し、安全目的であることを十分に理解した上で使いましょう。

【ワンポイントアドバイス💡】
外出時にはひざ掛けなどを掛けて隠すなど、見た目へ配慮するようにしましょう。
フットベルト
片麻痺などで足がフットプレートから前へ落ちてしまう方には、フットベルトが便利です。
多くの車椅子には足が後方へ落ちないためのベルトは付いていますが、前方への落下を防ぐベルトは付属していないことがほとんどです。
足が前へ滑り落ちると危険なので、必要に応じてこうした専用品を活用すると安心です。
まとめ|体の状態に合わせて必要なものを選びましょう
車椅子用クッションや介護用品は、高価なものを選べば良いというわけではありません。
自分で動けるかどうか、長時間座るかどうかによって必要な商品は変わります。
【座りっぱなし・介助量が多い方】
- 床ずれ予防性能の高いクッションを選ぶ
- 左右に倒れるなら背もたれ用クッションを併用する
- ずり落ちる場合は姿勢保持タイプやベルトを検討する
- クッションが厚すぎると足が床に届かなくなるので注意する
【自分で立ち上がりや車椅子をこげる方】
- 厚みがありすぎないクッションを選ぶ
- 沈み込みすぎるものは立ち上がりにくくなる
- 足でこぐ方は座面が高くなりすぎないよう注意する
- 前方が盛り上がった姿勢保持タイプは立ち上がりにくいため慎重に選ぶ
体に合ったクッションを使うことで、お尻や背中の痛みを軽減できるだけでなく、姿勢も安定し、毎日の生活がより快適になります。
長時間車椅子で過ごす方ほど、体の状態に合わせて無理のない介護用品を取り入れてみてください。
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