脳梗塞は、脳の血管が詰まり、その先へ血液が届かなくなる病気です。
高齢者に多くみられますが、早く治療を始めるほど後遺症を軽くできる可能性があります。
そのため、前兆となる症状を知っておくことはとても重要です。
「少し様子を見よう」と思っているうちに症状が悪化してしまうこともあります。
この記事では、脳梗塞でよくみられる前兆や、救急車を呼ぶべき症状について分かりやすく解説します。
脳梗塞の前兆として多い症状
ろれつが回らない
急に言葉がはっきり話せなくなったり、ろれつが回らなくなったりする症状は代表的な前兆です。
本人は普通に話しているつもりでも、家族から見ると何を言っているのか分からないことがあります。
数分で治ったとしても、一時的に血流が悪くなっている可能性があります。
片側の手足に力が入らない
片方の腕や足だけに力が入りにくくなることもよくあります。
コップを落としたり、歩いていて急につまずいたりすることで気付く場合もあります。
左右どちらかだけに起こることが特徴です。
顔の片側が下がる
笑おうとしても片側だけ口角が下がる、食べ物や飲み物が口からこぼれるなどの症状がみられることがあります。
鏡を見ると左右差に気付くこともあります。
急にしびれが出る
腕や足、顔などに急なしびれが起こることがあります。
正座をした後のようなしびれとは異なり、突然現れるのが特徴です。

脳梗塞を起こしたことがある方は、「朝までは普通だったのに急に片足に力が入らなくなった」「急に言葉が上手くしゃべれなくなった」といっています。
症状が軽くても脳梗塞が隠れていることがあるため、様子を見過ぎないことが大切です。
見逃しやすい前兆にも注意
急なめまい
ふらつきや強いめまいだけが現れる場合もあります。
特に歩けないほどのめまいや、今まで経験したことのないめまいは注意が必要です。

急に見えにくくなる
片目だけ見えにくくなる、視野の一部が欠けるなどの症状が出ることがあります。
「目の病気かな」と思って受診が遅れることもあるため注意しましょう。
突然激しいふらつきが出る
立っていられないほどのふらつきや、まっすぐ歩けなくなる症状も脳梗塞で起こることがあります。
特に手足の動かしにくさやろれつの回りにくさを伴う場合は、早急な対応が必要です。
症状が治っても安心してはいけない「TIA」とは
脳梗塞の前兆として、「一過性脳虚血発作(TIA)」が起こることがあります。
TIAとは、一時的に脳の血流が悪くなり、脳梗塞と同じような症状が現れるものの、数分から1時間程度で自然に改善する状態です。
「治ったから大丈夫」と思ってしまいがちですが、その後に本格的な脳梗塞を発症する危険性が高いことが分かっています。

病院や施設でも、「昨日は少しおかしかったけれど今日は普通だから大丈夫」と話される方がいます。
しかし、後から脳梗塞だったことが分かるケースもあります。症状が一時的でも、自己判断せず受診することが大切です。
救急車を呼ぶべき症状
次のような症状が突然現れた場合は、脳梗塞の可能性があります。
- ろれつが回らない
- 片側の手足に力が入らない
- 顔の片側が下がる
- 急に歩けなくなった
- 激しいめまいが続く
- 片目が見えにくくなった、視野が欠けた
- 言葉が理解できない、会話が成り立たない
これらの症状がある場合は、自分で車を運転したり、「少し休めば治るだろう」と様子を見たりせず、119番へ連絡しましょう。
脳梗塞は治療開始が早いほど、後遺症を軽くできる可能性があります。
FASTを覚えておこう
脳梗塞を早く見つけるために、「FAST(ファスト)」という覚え方があります。
- F(Face):顔の片側が下がっていないか
- A(Arm):片方の腕が上がりにくくなっていないか
- S(Speech):ろれつが回らない、言葉が出にくくなっていないか
- T(Time):症状があればすぐ119番する
家族もこの4つを知っておくことで、脳梗塞の早期発見につながります。
脳梗塞を予防するためにできること
脳梗塞は生活習慣病と深い関係があります。
次のようなことを日頃から心掛けることが予防につながります。
- 血圧を管理する
- 糖尿病や脂質異常症を治療する
- 禁煙する
- 適度な運動を続ける
- 塩分を控えた食生活を心掛ける
- 医師から処方された薬をきちんと飲む
高血圧や糖尿病は自覚症状が少ない病気ですが、脳梗塞の大きな危険因子です。
定期的に健康診断を受け、異常があれば早めに治療を始めましょう。

脳梗塞は治療後のリハビリもとても重要ですが、一番大切なのは発症しないことです。
普段から体を動かす習慣をつけ、血圧や血糖値を管理することは、脳梗塞だけでなく心臓病や転倒予防にもつながります。
まとめ
脳梗塞では、ろれつが回らない、片側の手足が動かしにくい、顔の片側が下がるなどの症状が突然現れることがあります。
症状が一時的に治まったとしても安心せず、早めに医療機関を受診することが大切です。
また、FASTを知っておくことで、家族も異変に気付きやすくなります。
「様子を見よう」と迷うより、「念のため受診しよう」という判断が、後遺症を防ぐことにつながります。
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