高齢になると、歯が抜けたり噛む力が弱くなったりして、今までどおりの食事が食べにくくなることがあります。
歯がないだけなら総入れ歯で食べられる場合もありますが、さらに飲み込む力(嚥下機能)が低下すると、硬い物やパサパサした物、水分などでむせやすくなり、通常の食事が難しくなることもあります。
病院や介護施設では、その方の状態に合わせて食材をやわらかくしたり、小さく刻んだり、とろみを付けたりして食べやすくしています。
最近は、ご家庭でも利用しやすい介護食や宅配おかずが数多く販売されており、毎食すべてを手作りしなくても無理なく食事を用意できるようになりました。
この記事では、歯がない方や噛みにくい方向けのレトルト介護食や宅配おかず、とろみ剤などを紹介します。

【ワンポイントアドバイス💡】
毎食すべて手作りするのは大変です。市販品を上手に取り入れることで介護する方の負担も減らせます。総入れ歯を修理に出している間など、一時的にやわらかい食事が必要な時にも便利です。
レトルトの介護食
介護食のレトルト食品は、食べやすさに合わせて「区分1~4」に分けられています。
噛む力や飲み込む力に合わせて選べるので、ご本人に合った硬さを選ぶことが大切です。
| 区分1 容易にかめる |
![]() キューピーやさしい献立区分1(楽天市場) |
具材の形はしっかり残しながらも、スプーンなどで簡単につぶせるやわらかさのおかずです。 硬い物や大きい物は食べにくくても、飲み込みは問題ない方向けです。 |
|---|---|---|
| 区分2 歯ぐきでつぶせる |
![]() キューピーやさしい献立区分2(楽天市場) |
適度な大きさにした食材をやわらかくし、とろみを付けて食べやすくしています。歯ぐきでもつぶせる硬さです。 |
| 区分3 舌でつぶせる |
![]() キューピーやさしい献立区分3(楽天市場) |
舌で簡単につぶせるほどやわらかく仕上げたおかずやおじやです。飲み込みに配慮したとろみも付いています。 |
| 区分4 噛まなくてよい |
![]() ホリカフーズ おいしくミキサー区分4 |
ミキサーでなめらかにしたペースト食やゼリー飲料です。噛むことが難しい方でも食べやすく作られています。 |
※参考までに、子どもが体調を崩した時に区分4を購入したことがありますが、私自身はあまりおいしいとは感じませんでしたし、子どももほとんど食べませんでした。
メーカーによって味も違いますので、食べにくそうな場合は別の商品を試してみるのもおすすめです。
どの区分を選べばよいか迷う場合は、主治医や歯科医師、言語聴覚士などに相談すると安心です。
栄養補助ドリンクや水分補給ゼリーは下記の記事で紹介しています。

冷凍おかずセット・食材(区分2 歯ぐきでつぶせる)
区分2は、歯ぐきでつぶせるやわらかさの介護食です。
食材の形はある程度残っていますが、やわらかく加工されているため、歯が少ない方や噛む力が弱くなってきた方でも食べやすい硬さになっています。
レトルト食品は便利ではありますが、1食分をそろえようとすると何種類も開ける必要があります。
冷凍おかずセットなら主菜と副菜がセットになっているため、見た目も食事らしく、栄養バランスも整えやすいのが魅力です。

【ここがおすすめ💡】
いろいろなおかずを少しずつ楽しめるので、「今日は何を食べよう」と選ぶ楽しみもあります。
介護食 MFSやわらか食

医療・介護メーカー「メディカルフードサービス」のやわらかおかずセットです。
消費者庁の「食事療法用宅配食品等栄養指針」に基づいて作られています。
歯ぐきでつぶせる硬さ(区分2)に加工されており、電子レンジで温めるだけですぐ食べられます。
6食セットなので、毎日の食事にも取り入れやすいです。
口コミでは「レンコンまでやわらかい」といった声もありました。

【ここがおすすめ💡】
見た目は普通のおかずですが、しっかりやわらかく加工されているので、見た目と食べやすさを両立したい方におすすめです。
健康直球便 やわらか食セット

管理栄養士が監修している冷凍のやわらか食セットです。
歯ぐきと舌でつぶせる硬さとなっており、区分2程度のやわらかさになります。
栄養バランスにも配慮されているため、ご家庭で介護食を準備する負担を減らしたい方にもおすすめです。
歯ぐきでつぶせる食材セット

こちらは完成した料理ではなく、やわらかく加工された食材です。
家族と同じ味付けで調理できるため、いつもの料理に取り入れやすいのが特徴です。
しいたけやごぼうなど、家庭ではやわらかく調理するのが難しい食材も食べやすく加工されています。

【ここがおすすめ💡】
お祝いの席には、やわらかいかまぼこなどもあり、季節の行事を楽しむこともできます。
冷凍おかずセット(区分3 舌でつぶせる)
区分3は、舌でつぶせるやわらかさの介護食です。
歯ぐきでつぶせる区分2でも食べにくくなってきた方や、噛む力がさらに低下した方に向いています。飲み込みやすいように、とろみやまとまりにも配慮されています。
ムース状やなめらかな食感に加工されていますが、見た目はできるだけ普通の料理に近づけられている商品も多く、食事を楽しみやすい工夫がされています。
ご家庭でこのやわらかさを再現するのは意外と難しいため、市販品を上手に活用するのもおすすめです。

【ワンポイントアドバイス💡】
ここまでやわらかくなると、自宅で毎回作るのはかなり大変です。
「こんな介護食もあるんだ」と参考にするために一度試してみたり、介護する方の負担を減らすために時々利用したりするのもよいと思います。
なめらかおかずセット

区分3(舌でつぶせる)のムースタイプのおかずセットです。
冷凍保存できるので、食べたい時に電子レンジで温めるだけですぐに食べられます。
一人暮らしの方や、介護する方の負担を減らしたい場合にも便利です。

【ワンポイントアドバイス💡】
実際に一度食べてみると、「このくらいのやわらかさなら家でも参考にできそう」とイメージしやすくなります。
お惣菜ムースセット

こちらも区分3(舌でつぶせる)のムース食です。
「料理をそのままムース食に」をコンセプトに作られており、見た目や味にもこだわっています。
流水で約1時間解凍するだけで食べられます。
電子レンジでの解凍には対応していません。
おかずを一品追加したい時や、食欲がない時の食事としても利用しやすい商品です。
とろみ調整

水やお茶などのサラサラした飲み物でむせてしまう方には、とろみ調整食品がおすすめです。
飲み物にとろみを付けることで、ゆっくり飲み込めるようになり、誤嚥(食べ物や飲み物が気管に入ること)の予防につながります。
また、おかずも焼き魚やお肉をそのまま食べるより、あんかけなどで少しまとまりを持たせると飲み込みやすくなる場合があります。

【介護施設で見てきたケア💡】
高齢者施設でもこういうものを使ってお茶に少しとろみをつけたりすることがあります。
むせることが増えてきた場合は、市販のとろみ剤を使うだけでも食事が楽になることがあります。
お薬ゼリー

錠剤やカプセルを飲み込みにくい方には、お薬ゼリーが便利です。ゼリーで包み込むことで、薬がのどを通りやすくなり、むせにくくなります。
スティックタイプなど使い切りの商品もあるため、衛生的に使えます。高齢者だけでなく、薬を飲むのが苦手なお子さんにも利用されています。
個人的におすすめなミニゼリー
鉄分たっぷり!すりおろしりんごゼリー

こちらは実際に食べてみて、とてもおいしかったので紹介します。
よくある一口サイズのゼリーですが、ぷるんとした弾力ではなく、口に入れるとほろっとくずれるようなやわらかさです。
スプーンでも簡単に切れるので、噛む力が弱くなってきた方でも食べやすいと思います。
すりおろしりんごが使われているため果実感があり、甘酸っぱくてデザートとしても満足感があります。食欲がない時や、「普通のゼリーは飽きてしまった」という方にもおすすめです。
1カップに鉄分約1.8mg(ドライプルーン約24粒分)が含まれており、鉄分補給にも役立ちます。
介護食ではなく、一般向けに販売されているゼリーですが、とても食べやすかったので紹介しました。
果実感がしっかりあり、普通のおやつとしても十分おいしいゼリーでした。

スプーンで簡単にくずせるため、お薬を飲む時に一緒に食べるのにも使いやすいかもしれません。
介護食を作る便利グッズ
レトルトパックを温める機械

レトルト食品をよく利用する方には、「レトルト亭」のような専用ウォーマーも便利です。
お湯を沸かしたり電子レンジを使ったりせず、そのままレトルトパックをセットするだけで温められます。
鍋を洗う必要もなく、忙しい時や介護の合間でも手軽に準備できます。

【ここがおすすめ💡】
介護食だけでなく、カレーや丼物など一般的なレトルト食品にも使えるので、一台あると便利です。
簡単にみじん切りができる機械

食材を細かく刻んだり、ペースト状にしたりする時には、小型のフードプロセッサーがあると便利です。
介護食だけでなく、バナナジュースや苺ミルクなどミックスジュースを作るときにも使えるので便利です。

【体験談💡】
私も使っていますが、あっという間にミックスジュースができます。バナナミルクは子供も好きですね。固形物をそのまま食べるよりドリンクにしたほうが摂取しやすいので、栄養を多くとれるのではと思います。大きなミキサーより洗いやすく使いやすいです。
まとめ
高齢になると、歯がないことや噛む力・飲み込む力の低下によって、今までどおりの食事が難しくなることがあります。
そのような時は、無理に普通の食事を続けるのではなく、食べやすい介護食や宅配おかずを上手に取り入れることも大切です。
最近は見た目や味にもこだわった商品が増えており、ご家庭でも利用しやすくなっています。
- レトルト介護食
- 冷凍のやわらかおかずセット
- とろみ調整食品
- お薬ゼリー
- 調理を助ける便利グッズ
このような商品を組み合わせることで、ご本人が食べやすくなるだけでなく、介護するご家族の負担も軽減できます。

「毎食すべて手作りしなければ」と考え過ぎず、市販品も上手に活用しながら、無理なく食事を続けていきましょう。
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