「親が一日中テレビを見て座っている。」
「外出することも少なく、ほとんど椅子やソファで過ごしている。」
「座っているだけなら安全そうだけれど、本当に大丈夫なのだろうか。」
このような心配をしているご家族は多いです。
高齢になると体力や筋力が低下しやすくなるため、自然と座って過ごす時間が長くなることがあります。しかし、長時間座ったままの生活が続くと、身体だけでなく心や生活にもさまざまな影響が現れる可能性があります。
もちろん、休息は健康を維持するために大切です。しかし、「座る時間が長過ぎる生活」は健康リスクを高めることが分かっています。
この記事では、高齢者が座ってばかりいることで起こる影響や、家族ができる工夫について分かりやすく解説します。
座っている時間が長いと起こりやすい変化
人の身体は、適度に動かすことで筋力や体力を維持しています。
そのため、座っている時間が長くなるほど、身体には少しずつ変化が現れてきます。
足腰の筋力が低下する
椅子やソファに座っている時間が長くなると、立つ・歩くといった動作が減り、足腰の筋肉が使われる機会も少なくなります。
筋力が低下すると立ち上がりや歩行が難しくなり、さらに座る時間が増えるという悪循環につながることがあります。
関節が硬くなりやすい
長時間同じ姿勢で過ごしていると、膝や股関節、足首などの関節が動かしにくくなることがあります。
身体が硬くなることで歩幅が小さくなり、転倒しやすくなる原因にもなります。
体力が低下する
活動量が減ることで心肺機能も少しずつ低下し、少し動いただけで疲れやすくなることがあります。
「疲れるから座る」「座る時間が長いからさらに体力が落ちる」という悪循環になりやすいため注意が必要です。

筋力低下は年齢だけが原因ではありません。座っている時間が長くなるほど筋肉は使われなくなるため、「こまめに立ち上がること」が大切です。
身体だけでなく心にも影響することがある
座って過ごす時間が長くなると、身体だけでなく生活や気持ちにも影響することがあります。
外出する機会が減る
活動量が少なくなると、「歩くのが面倒」「疲れそう」と感じやすくなり、外出する回数も減ってしまいます。
その結果、人との交流が少なくなり、自宅で過ごす時間がさらに長くなることがあります。
生活意欲が低下する
一日中座って過ごしていると、趣味や家事などに取り組む機会も減り、「何をするのも面倒」と感じることがあります。
活動量の低下は、生活の楽しみを少なくしてしまう原因にもなります。
認知機能へ影響する可能性がある
身体を動かす機会や人との交流が減ることで、脳への刺激も少なくなります。
認知機能の低下を防ぐためにも、身体を動かしたり、人と会話したりする時間を作ることが大切です。

「運動をする時間」を確保することも大切ですが、それ以上に「座り続ける時間を減らすこと」が健康維持につながります。まずは1時間に1回立ち上がることから始めてみましょう。
家族ができる工夫
座っている時間を急に大きく減らす必要はありません。まずは「少し身体を動かす機会」を増やすことから始めましょう。
1時間に1回は立ち上がる習慣を作る
長時間座り続けることを避けるため、1時間に1回を目安に立ち上がるようにしましょう。
立ち上がって伸びをしたり、部屋の中を少し歩いたりするだけでも身体への負担を減らすことができます。
家事や趣味を取り入れる
「運動をしましょう」と言われても続けることは簡単ではありません。
そのため、日常生活の中で自然に身体を動かす機会を増やすことが大切です。
- 洗濯物を干す
- 庭の水やりをする
- 料理や食器洗いをする
- 家庭菜園を楽しむ
- 買い物へ出掛ける
これらも立派な運動になります。
一緒に外へ出る機会を作る
一人では外出がおっくうでも、家族と一緒なら出掛けられることもあります。
近所を散歩したり、公園へ行ったり、季節の花を見に行ったりと、楽しみを目的にすると続けやすくなります。

「たくさん歩くこと」よりも、「座り続ける時間を減らすこと」の方が続けやすい場合もあります。まずは小さな目標から始めることが継続のコツです。
家族がやってはいけないこと
無理に運動させる
急に長時間歩かせたり、きつい運動を勧めたりすると、疲労や転倒につながる可能性があります。
本人の体力に合わせて少しずつ活動量を増やしましょう。
「座ってばかり」と責める
座っている時間が長くなる背景には、筋力低下だけでなく、痛みや病気、気持ちの落ち込みなどが隠れていることがあります。
責めるのではなく、「一緒に少し歩いてみようか」と寄り添う声掛けを心掛けましょう。
テレビだけで一日を過ごさせる
テレビを見ること自体は悪いことではありませんが、一日中同じ姿勢で過ごすことは避けたいところです。
CMの時間に立ち上がる、水分を取りに行くなど、身体を動かすきっかけを作る工夫も効果的です。

病気だから…、歳だから…となんでもやってあげてしまうのが一番よくないです。危なくないようでしたら、お茶をくみに行く、新聞をとりに行く、着替えを取りに行くなど自分でできることは自分でやってもらうようにしましょう。
病院や専門家へ相談した方がよい目安
次のような場合は、医療機関や地域包括支援センターなどへ相談することをおすすめします。
- 急に座っている時間が増えた
- 立ち上がることを嫌がるようになった
- 歩くと痛みや強いふらつきがある
- 転倒を繰り返している
- 食欲や元気も低下している
- 物忘れが急に目立つようになった
筋力低下だけでなく、病気や認知症、うつ症状などが関係している場合もあります。
理学療法士による身体機能の評価や運動指導を受けることで、安全に活動量を増やす方法を提案してもらえます。
よくある質問(FAQ)
Q. 座って体操をするだけでも効果はありますか?
はい。座ったままできる体操でも、身体を動かすことは筋力や血流の維持につながります。
可能であれば、立ち上がる運動や短時間の歩行も組み合わせるとより効果的です。
Q. どれくらいの頻度で立ち上がればよいですか?
目安として1時間に1回程度立ち上がることがおすすめです。
数分間歩いたり、軽く身体を動かしたりするだけでも効果が期待できます。
Q. 雨の日は一日中座っていても大丈夫ですか?
外出できない日でも、家の中を歩いたり、立ち座り運動やストレッチを行ったりすることで活動量を維持できます。
無理のない範囲で身体を動かすことを心掛けましょう。
まとめ
高齢者が座ってばかりいる生活を続けると、筋力や体力の低下だけでなく、転倒しやすくなったり、生活意欲や認知機能へ影響したりすることがあります。
健康を維持するためには、激しい運動よりも、座り続ける時間を減らしてこまめに身体を動かすことが大切です。
家族は無理に運動を勧めるのではなく、家事や散歩など日常生活の中で自然に身体を動かせる機会を増やし、楽しみながら続けられる環境を作りましょう。
急に活動量が低下した場合や、歩行時の痛み・ふらつき・元気の低下などがみられる場合は、早めに医療機関や専門職へ相談することをおすすめします。
家族の毎日に役立つ情報
📖 あわせて読みたい(知識を深めるコラム)

🛒 暮らしを支えるグッズ(快適な毎日に)

♨️ バリアフリーの宿(お出かけに)
