「親が最近、めまいがすると言っている」
「立ち上がるとふらっとするけれど、年齢のせいなのかな?」
「ぐるぐる回る感じがするけれど、病院に行った方がいい?」
高齢になると、めまいやふらつきを訴える方が増えます。
めまいには、耳の病気だけでなく、血圧の変化、脱水、薬の影響、脳の病気など、さまざまな原因があります。
原因によって治療方法も違うため、「めまいだからこの治療をすれば治る」とは一概に言えません。
この記事では、高齢者に起こりやすいめまいの種類や原因、治療方法、家族が気を付けたいこと、すぐに受診した方がよい症状について分かりやすく解説します。
めまいにはいくつかの種類がある
一口に「めまい」と言っても、感じ方は人によって違います。
まずは、どのようなめまいなのかを確認してみましょう。
周りがぐるぐる回るようなめまい
「天井が回っている」「自分がぐるぐる回っているように感じる」というタイプです。
耳の奥にある平衡感覚をつかさどる部分に問題があると起こりやすく、良性発作性頭位めまい症やメニエール病などが原因になることがあります。
立ち上がったときにふらっとする
椅子やベッドから立ち上がったときに、目の前が暗くなったり、ふらっとしたりするタイプです。
血圧が急に下がる起立性低血圧や脱水、薬の影響などが関係していることがあります。
身体がふわふわする、足元が不安定になる
「雲の上を歩いているよう」「足元がふわふわする」「まっすぐ歩きにくい」という感じ方もあります。
耳の病気だけでなく、視力の低下、筋力やバランス能力の低下、薬の影響など、複数の原因が重なっている場合もあります。

高齢者のめまいで考えられる主な原因
めまいの原因を判断するには、症状の出方や一緒に現れている症状を確認する必要があります。
良性発作性頭位めまい症
良性発作性頭位めまい症は、頭を動かしたときに突然ぐるぐる回るようなめまいが起こる病気です。
寝返りを打ったときや、ベッドから起き上がったとき、上を向いたときなどに起こることがあります。
めまいは比較的短時間で治まることが多いですが、繰り返すことがあります。
メニエール病
メニエール病では、回転するようなめまいとともに、耳鳴りや耳が詰まった感じ、聞こえにくさなどが起こることがあります。
症状を繰り返す場合は、耳鼻咽喉科で相談しましょう。
起立性低血圧
座った状態や横になった状態から立ち上がったときに、血圧が下がってめまいやふらつきが起こることがあります。
高齢者では、血圧を下げる薬などが関係している場合もあります。
立ち上がった直後に毎回ふらつく場合は、いつ、どのような状況で起こるのかを記録して医師に伝えましょう。
脱水
水分が不足すると血液量が減り、血圧が下がってめまいやふらつきが起こることがあります。
特に暑い時期や、発熱・下痢・嘔吐があるときは脱水に注意が必要です。
高齢者は喉の渇きを感じにくくなるため、「あまり水分を飲んでいない」という場合は、めまいの原因の一つとして脱水も考えましょう。
薬の影響
高齢になると、血圧の薬や睡眠薬、精神・神経系の薬など、複数の薬を飲んでいる方も増えます。
薬の種類や体調によっては、血圧低下や眠気、ふらつきなどが起こることがあります。
めまいが始まった時期と薬を飲み始めた時期が近い場合は、自己判断で薬を中止せず、処方した医師や薬剤師に相談しましょう。

めまいは治る?治療方法は原因によって違う
めまいが治るかどうかは、原因によって変わります。
一時的な体調不良や脱水が原因なら、原因を改善することで症状が治まることがあります。
一方で、耳の病気や神経の病気などが原因の場合は、病気に合わせた治療が必要です。
耳の病気が原因の場合
良性発作性頭位めまい症では、耳の中でずれた耳石を元の位置に戻すための運動を行うことがあります。
メニエール病などでは、症状に応じて薬による治療や生活習慣の見直しなどを行います。
どの治療が必要なのかは、耳鼻咽喉科で検査を受けて判断します。
血圧や脱水が原因の場合
起立性低血圧や脱水が関係している場合は、原因となっている状態を改善することが基本です。
水分不足があれば水分摂取を見直し、薬が関係している場合は医師が薬の種類や量を確認します。
血圧の薬を飲んでいるからといって、自己判断で量を減らしたり中止したりしないようにしましょう。
脳の病気が原因の場合
脳梗塞や脳出血などでも、めまいやふらつきが現れることがあります。

このような場合は、耳の病気だと思って様子を見るのではなく、早急に医療機関へ相談してください。
めまいがあるときに家族が気を付けたいこと
めまいがあると、本人が転倒する危険も高くなります。
症状が出ているときは、無理に歩かせず、まず安全な場所で座るか横になってもらいましょう。
急に立ち上がらない
ベッドから起きるときや椅子から立つときは、いったん座った状態で身体を落ち着かせてから、ゆっくり立ち上がるようにしましょう。
特に立ち上がるとふらつく方は、急いでトイレへ行かないようにしましょう。
めまいがあるときは一人で歩かない
強いめまいがあるときに一人で歩くと、転倒につながることがあります。
必要に応じて家族が付き添い、手すりなどを使って安全に移動しましょう。
症状が起こった状況を記録する
病院を受診するときは、次のようなことを伝えると診断の手がかりになります。
- いつからめまいが始まったか
- どのくらいの時間続くか
- ぐるぐる回るのか、ふわふわするのか
- 立ち上がったときに起こるのか
- 寝返りや頭を動かしたときに起こるのか
- 耳鳴りや聞こえにくさがあるか
- 頭痛や吐き気があるか
- 手足のしびれや力の入りにくさがあるか

こんなめまいは早めに受診しましょう
めまいの中には、すぐに医療機関で診てもらった方がよいものがあります。
特に次のような症状が突然現れた場合は、脳卒中などの可能性もあるため注意してください。
- 突然、強いめまいが起こった
- まっすぐ歩けない、立っていられない
- 手足に力が入らない
- 手足がしびれる
- ろれつが回らない
- 物が二重に見える
- 意識がぼんやりする、意識を失った
- 突然の強い頭痛がある
- 胸の痛みや強い動悸がある
このような症状がある場合は、単なる「年齢によるふらつき」と考えず、早急に医療機関へ相談しましょう。
そこまで急な症状ではなくても、めまいを繰り返している、最近ふらつくことが増えた、転倒しそうになることが多いという場合は、一度受診して原因を調べてもらいましょう。
めまいは何科を受診すればいい?
どの診療科を受診するか迷ったときは、症状によって考えると分かりやすいです。
| 症状 | 受診先の目安 |
|---|---|
| ぐるぐる回るめまい 耳鳴り・聞こえにくさがある |
耳鼻咽喉科 |
| 立ち上がるとふらつく 血圧の変化が気になる |
内科など |
| 手足のしびれ・麻痺 ろれつが回らないなどがある |
脳神経内科・脳神経外科など 突然の症状なら救急受診 |
ただし、症状だけで原因を判断するのは難しいため、迷った場合はまずかかりつけ医に相談してもよいでしょう。
まとめ
高齢者のめまいには、耳の病気、血圧の変化、脱水、薬の影響など、さまざまな原因があります。
「ぐるぐる回る」「立つとふらっとする」「足元がふわふわする」など、めまいの感じ方によっても考えられる原因は変わります。
原因によって治療方法は異なり、治療によって改善するめまいもあれば、症状を繰り返す病気もあります。そのため、めまいが続く場合は原因を調べることから始めましょう。
また、めまいがあるときは転倒しやすくなるため、症状が強いときは無理に歩かず、安全な場所で休むことも必要です。
突然の強いめまいに加えて、手足の麻痺やしびれ、ろれつが回らない、物が二重に見える、突然の強い頭痛などがある場合は、脳の病気の可能性もあります。こうした症状が出たときは早急に医療機関へ相談しましょう。
めまいを「年齢のせい」と決めつけず、いつ、どのようなときに起こるのかを確認して、必要に応じて受診することが大切です。

床から立ち上がると毎回めまいでふらついて危ないという場合には、ベッド柵が付いたベッドを利用すると安心です。頭側を少し持ち上げて様子見、半分体を起こして様子見、ベッドの縁に座って様子見、ベッド柵を持って立ち上がって様子見など段階を踏んでゆっくり動き出すことができます。
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