「最近、親の歩く速度が遅くなってきた」
「椅子から立ち上がるときに『よいしょ』と言うことが増えた」
「このまま足腰が弱ってしまわないか心配」
このような変化があると、ご家族は心配になりますよね。
高齢になると筋力は少しずつ低下しますが、年齢だけで足腰が弱っていくわけではありません。普段どのくらい身体を動かしているか、どんな食事をしているかによっても、筋力の低下の進み方は変わります。
特別な運動を毎日続けなくても、歩く、立つ、家事をするなど、普段の生活の中で足腰を使う機会を作ることが大切です。
この記事では、足腰が弱ってきたときに見られる変化や、筋力を保つために取り入れたい運動・食事・生活習慣について分かりやすく解説します。
高齢者の足腰が弱ると見られる変化
足腰の筋力が低下すると、最初は小さな変化として現れることがあります。
次のような様子が増えてきたら、以前より身体を動かしにくくなっていないか確認してみましょう。
歩く速度が遅くなる
以前と比べて歩く速度が遅くなったり、家族と一緒に歩いていて遅れるようになったりするのは、足の筋力や体力が落ちてきたサインの一つです。
歩幅が小さくなっている場合もあります。
椅子から立ち上がりにくくなる
椅子から立ち上がる動作には、太ももやお尻の筋肉を使います。
以前は簡単に立てていた椅子から立ち上がるときに、手すりやテーブルに手をつくようになった場合は、足腰の筋力が低下している可能性があります。
階段を避けるようになる
「階段は疲れるからエレベーターにしよう」と考えるようになるのも、足腰の変化に気付くきっかけになります。
階段は平地を歩くよりも脚の筋肉を使うため、以前より上り下りがつらくなった場合は、筋力や体力の低下を考えてみましょう。
つまずくことが増える
足を十分に持ち上げにくくなると、ちょっとした段差や敷居につまずきやすくなります。
つまずきが増えてきた場合は、筋力だけでなくバランス能力や歩き方にも変化がないか確認しましょう。

「歩くのが遅くなった」「立ち上がりにくい」などの変化は、年齢のせいだと思って見過ごしがちです。以前と比べて明らかに動きにくくなった場合は、早めに身体を動かす習慣を見直しましょう。
足腰を弱らせないために取り入れたい運動
足腰の筋力を維持するには、脚の筋肉を実際に使うことが欠かせません。
いきなり負荷の強い運動を始める必要はありません。自分の体力に合わせて、無理なく続けられる運動から始めましょう。
立ち座り運動
椅子から立ち上がって、ゆっくり座る動作を繰り返します。
太ももやお尻の筋肉を使うため、足腰の筋力維持に役立ちます。
最初は数回から始め、ふらつかずにできる範囲で行いましょう。必要な場合は、安定した椅子や手すりを使ってください。
かかと上げ
立った状態でかかとをゆっくり上げ、元に戻します。
ふくらはぎの筋肉を使う運動で、歩くときにも使う筋肉を鍛えられます。
転倒しないよう、机や手すりなどにつかまって行いましょう。
足踏み
その場で左右の足を交互に上げる運動です。
歩くための筋力だけでなく、足を上げる動きの練習にもなります。
立って行うのが難しい場合は、椅子に座って足踏みをしても構いません。
短時間のウォーキング
歩くことは、足腰を使う基本的な運動です。
最初から長い距離を歩く必要はありません。体力に合わせて短い距離から始め、無理なく続けましょう。
散歩を買い物や季節の花を見る時間と組み合わせると、運動だけを目的にするより続けやすくなります。

足腰を鍛える運動は、回数や時間を増やせばよいわけではありません。ふらつきや痛みが出ない範囲で続けることを優先しましょう。今できる運動を無理なく続ける方が、長く習慣にしやすいです。
普段の生活でも足腰を使いましょう
足腰を維持するために、特別な運動の時間を作る必要はありません。
普段の生活にも、脚の筋肉を使う動作はたくさんあります。
できる家事は自分で続ける
掃除、洗濯、料理、食器洗い、庭の手入れなどは、立ったり歩いたりする機会になります。
家族がすべて代わりにするのではなく、安全にできることは本人に続けてもらいましょう。
買い物や外出の機会を作る
買い物に出掛ければ、歩くだけでなく、商品を選んだり荷物を持ったりする動作もあります。
一人での外出が難しい場合は、家族が付き添って一緒に出掛けてもよいでしょう。
自分でできる動作は自分で行う
家族が先回りして、飲み物を持ってきたり、必要な物を取ってきたりすると、本人が身体を動かす機会が減ってしまいます。
転倒などの危険がない範囲で、自分でできることは本人に任せましょう。
足腰を支える食事も意識しましょう
筋肉を維持するには、身体を動かすだけでなく、筋肉の材料となる栄養を取ることも必要です。
たんぱく質を毎日の食事に取り入れる
肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などには、筋肉の材料となるたんぱく質が含まれています。
毎食すべてを完璧にする必要はありません。食事量が減っている場合は、食べられる食品から少しずつ取り入れましょう。
食事量が減ってきたら早めに対策する
高齢になると、食欲が落ちたり、一度にたくさん食べられなくなったりすることがあります。
食事量が少ない状態が続くと、体重が減り、筋肉も落ちやすくなります。
「最近やせてきた」「食事を残すことが増えた」という場合は、食事内容や食べる量を見直しましょう。

足腰を維持するには「運動だけ」「食事だけ」ではなく、両方を意識しましょう。身体を動かして筋肉を使い、食事から必要な栄養を取ることが筋力維持につながります。
睡眠や生活リズムも整えましょう
運動や食事だけでなく、毎日の生活リズムも見直してみましょう。
十分な睡眠を取る
疲れが残った状態では、身体を動かすことがおっくうになり、活動量が減ってしまいます。
夜更かしを続けず、できるだけ規則正しい生活を心掛けましょう。
日中は活動する時間を作る
朝起きてからずっと家の中で過ごすのではなく、家事や買い物、散歩、趣味など、身体を動かす時間を作りましょう。
身体を動かすことが生活の一部になると、運動を特別なものとして考えずに続けられます。
家族が足腰の衰えを防ぐためにできること
「運動しよう」と言うだけにしない
「運動した方がいいよ」と言われても、本人が乗り気にならないことがあります。
その場合は、一緒に散歩へ出掛けたり、買い物に誘ったりして、自然に身体を動かせる機会を作りましょう。
本人の役割を残す
安全を心配するあまり、家族が何でもやってしまうと、本人が身体を動かす機会が減ります。
料理の一部を任せる、洗濯物をたたんでもらう、新聞を取りに行ってもらうなど、本人ができる役割を残しましょう。
できなくなったことを責めない
以前できていたことが難しくなると、本人も落ち込むことがあります。
「前はできたのに」と責めるのではなく、今できることを続けられるように手助けしましょう。
足腰が弱ってきたときに注意したいこと
筋力が落ちてきたからといって、急に負荷の強い運動を始めるのは避けましょう。
特に、膝や腰などに痛みがある場合や、歩くとふらつく場合は、無理に運動を続けると転倒やけがにつながります。
また、急に歩けなくなった、短期間で体重が大きく減った、転倒が増えたなどの変化がある場合は、単なる加齢による筋力低下とは限りません。
このような場合は医療機関に相談しましょう。
まとめ
高齢者の足腰を弱らせないためには、特別な運動だけに頼らず、普段の生活で足腰を使う機会を続けることがポイントです。
立ち座りやかかと上げ、足踏み、ウォーキングなど、自分の体力に合った運動を取り入れましょう。
掃除や洗濯、料理、買い物なども、身体を動かす大切な機会です。安全にできることは本人に任せ、自分で動く習慣を残しましょう。
さらに、肉や魚、卵、大豆製品、乳製品などからたんぱく質を取り、食事量が減ってきたときは早めに見直すことも必要です。
「歩くのが遅くなった」「立ち上がりにくい」「つまずくことが増えた」などの変化があれば、できることから生活習慣を変えていきましょう。
急な歩行能力の低下や繰り返す転倒、強い痛み、急激な体重減少などがある場合は、医療機関に相談してください。

家事でこまめに動く女性の方が能力が維持されていることがあります。今まであまり家事をしてこなかった男性も、積極的に家事を行い体を動かすようにしましょう。
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