高齢者の方とお話しをしていると、「朝に足がつる」「明け方に足がつる」「寝ている時に足がつる」という相談をよく受けます。
年齢のせいだから仕方ないと思われがちですが、実は生活習慣や寝起きの動作が原因になっていることもあります。
足がつる原因はいろいろありますが、高齢者の方は『こむら返りを起こしやすい動作』を無意識に行ってしまっていることが多いです。
ここでは、一般的なこむら返りの原因、高齢者がやりがちな動作、足がつった時の対処法、予防に役立つグッズについて紹介します。
足がつる主な原因と対策
足がつる原因には次のようなものがあります。
- 水分不足
- ミネラル不足
- 冷え(血行不良)
- 運動のしすぎ・筋力低下
- 明け方の自律神経の切り替わり
- 寝起きの動作でふくらはぎに強い力が入る
これらの原因が一つだけとは限らず、複数が重なって起こることも珍しくありません。
① 水分不足・ミネラル不足
脱水状態になると筋肉が正常に働きにくくなり、足がつりやすくなります。
また、マグネシウム・カリウム・カルシウム・ナトリウムなどのミネラル不足も原因になります。
夜中のトイレを気にして水分を控える方も多いですが、水分不足は足がつるだけでなく脱水や脳梗塞のリスクにもつながります。
寝る直前に大量に飲むのではなく、夕方から少しずつ補給すると負担が少なくなります。

寝る前にはコップ1杯程度のお水やスポーツドリンクを飲むのがおすすめです。ただしスポーツドリンクは糖質が入っているので、制限されている方はかかりつけの先生に相談してからにしましょう。
② 冷え(血行不良)
ふくらはぎが冷えると血流が悪くなり、足がつりやすくなります。
冬だけでなく、夏でも冷房によって足が冷えてつる方はいらっしゃいます。
室温を調整するだけでなく、ふくらはぎを温めることも大切です。
レッグウォーマーは足先が出ているため蒸れにくく、寝る時にも使いやすいのでおすすめです。


筋肉が硬くなっていても血流は悪くなるため、ふくらはぎのストレッチや軽いマッサージを習慣にしましょう。私も秋から冬の微妙な時期に、足が冷えて夜間につりやすくなるのでレッグウォーマーを履いています。冬用の布団をかけるとつらなくなります。
③ 運動のしすぎ・筋力低下
長時間歩いた日や急に運動量が増えた日は、夜中に足がつりやすくなることがあります。
一方で、運動不足によって筋力が低下していても足はつりやすくなります。

「今日はたくさん歩いたから明日は何もしない」ではなく、毎日無理のない範囲で体を動かすことが予防につながります。
④ 明け方の自律神経の切り替わり
寝ている間は副交感神経が優位になっていますが、明け方になると交感神経へ切り替わり、体は目覚める準備を始めます。
この切り替わりで血管が収縮し、ふくらはぎへの血流が一時的に悪くなることで足がつるという説があります。
いつも同じ時間帯に足がつるという方は、この影響を受けている可能性があります。
病院では足のつりに対して漢方薬が処方されることもあります。
毎日のように症状が続く場合や、急に頻繁につるようになった場合は、糖尿病や腎臓の病気、薬の影響などが隠れていることもあるため、一度医療機関へ相談しましょう。
⑤ 高齢者が一番多い原因「寝起きの動作」
実際に高齢者の方へ話を聞いていると、朝起きた時に自分でこむら返りを起こしやすい動きをしてしまっている方が非常に多いです。
水分不足や冷えなどの条件がそろった状態で、さらにふくらはぎへ急激に力を入れてしまうことで足がつってしまいます。

今まで「朝に足がつる」とおっしゃっていた利用者さんの何人かは、朝伸びをしているとおっしゃっていました。伸びの仕方を指導するとつらなくなった方もいます。
こむら返りを起こしやすい動作
寝起きに次のような動きをしていませんか。
- 伸びをする
- 足で布団を蹴る
- 足で寝返りをする
特に多いのが、伸びをする時につま先を下へ伸ばしてしまう動作です。
この姿勢ではふくらはぎが強く縮み、一気に力が入るため、こむら返りが起こりやすくなります。
伸びをする時は、つま先を下へ向けるのではなく、足首を反らせながら行ってみてください。

それだけで足がつらなくなったという方も多くいます。
また、布団を蹴って動かしたり、足で踏ん張って寝返りをする時も同じようにつま先が下がり、ふくらはぎへ強い力が入ります。

寝返りや布団を動かす時も、なるべくつま先を反らせることを意識しましょう。
足がつった時の治し方
ふくらはぎがつってしまった時は、慌てずに足首を反らせてふくらはぎを伸ばすようにしましょう。

こむら返りは、ふくらはぎの筋肉が強く縮んでけいれんしている状態です。
縮んでしまった筋肉をゆっくり伸ばしてあげることで、徐々に痛みが治まってきます。
座れる状態であれば、膝をできるだけ伸ばし、つま先を自分の方へ引き寄せましょう。
足をできるだけひいて床に足の裏をつくことでもふくらはぎが伸ばされます。
手が届く場合は、足の指や足先を持ってゆっくり引っ張ります。
届きにくい場合は、タオルを足裏に掛けて引っ張る方法でも構いません。

急いで立ち上がろうとすると転倒する危険があります。
痛みが強い時は無理に歩かず、まずは筋肉をゆっくり伸ばすことを優先しましょう。
痛みが治まった後も筋肉は疲労しています。
軽くストレッチを行い、水分補給をしてから休むと再発予防につながります。

つり始めた瞬間であれば、自分で足首を素早く反らせるだけで完全にこむら返りが起きてしまうことを防げることもあります。
足がつるのを予防する便利グッズ
足がつる原因である「冷え」「筋肉の硬さ」「ミネラル不足」の対策に役立つグッズを紹介します。
レッグウォーマー(冷え対策)
冷えによる血行不良を防ぐには、ふくらはぎを温めることが大切です。
レッグウォーマーは足先が出ているため蒸れにくく、寝る時でも使いやすいのが特徴です。
冬だけでなく、冷房で足が冷えやすい夏場にもおすすめです。
靴下より締め付けが少なく、就寝中でも快適に使えます。

靴下を履くのが苦手という方は、ふくらはぎに巻くだけで使えると遠赤外線フリーバンドなどもあります。
一週間程度のお試し期間がある商品もあるため、自分に合うものを試してみるのもよいでしょう。

25年の販売実績があり、累計100,000個売れているそうです。
ストレッチボード(筋肉の硬さ対策)
アキレス腱やふくらはぎが硬い方は、ストレッチボードを使う方法もおすすめです。
乗るだけでアキレス腱とふくらはぎを同時に伸ばすことができます。
ふくらはぎの柔軟性が改善すると、歩く時につま先が上がりやすくなり、転倒予防にもつながります。

アキレス腱が硬い方は重心が後ろへ行きやすく、バランスを崩しやすくなります。
最初は必ず手すりや机などにつかまりながら行いましょう。
スポーツドリンク(ミネラル補給)
スポーツドリンクには、カリウムやマグネシウムなど筋肉の働きに必要なミネラルが含まれています。
汗をかいた日や水分不足が気になる日は、適度に補給することで足のつり予防に役立つことがあります。


糖分が含まれているため飲み過ぎには注意しましょう。
また、腎臓病などでカリウム制限を受けている方は、必ず主治医へ確認してから利用してください。
毎日の習慣が予防につながります
足がつる原因は一つではありません。
水分不足や冷え、筋力低下などが重なったところへ、寝起きの動作が加わることで起こるケースが多く見られます。
そのため、次のことを毎日の習慣にすると予防効果が期待できます。
- 寝る前に適度な水分補給をする
- ふくらはぎを冷やさない
- ストレッチで筋肉を柔らかく保つ
- 毎日少しずつ歩く・運動する
- 寝起きはつま先を反らせながら動く

いろいろ試してみないとどれが原因か分からないことが多いです。思い当たるものから改善してみましょう!
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