高齢のご家族が「熱は高くないけれど、何度も微熱が出る」と心配になることはありませんか。
37℃台の熱が出たり下がったりすると、「年齢のせいかな」「少し風邪をひいただけかな」と様子を見たくなるかもしれません。
ただし、高齢者の微熱には感染症や炎症、薬の影響などが隠れていることがあります。高齢者は症状がはっきり出ないこともあるため、熱の高さだけで判断しないことが大切です。
この記事では、高齢者が微熱を繰り返す主な原因や、特に注意したい症状、受診の目安、家族が確認しておきたいポイントについて分かりやすく解説します。

高齢者の「微熱」は何度くらい?
一般的に、37℃台の体温を「微熱」と呼ぶことが多いですが、体温には個人差があります。
普段から36℃前後の方と、普段から37℃近くある方では、同じ37.2℃でも意味が違います。
また、体温は一日の中でも変化します。朝より午後から夕方に高くなることもあります。そのため、一度だけ37℃台になったからといって、すぐに病気だと決めつける必要はありません。
一方で、普段は熱がない方が何日も微熱を繰り返している場合や、ほかの症状を伴っている場合は、原因を調べたほうがよいでしょう。
高齢者が微熱を繰り返す主な原因
感染症
微熱を繰り返す原因として、まず考えたいのが感染症です。
風邪などの呼吸器感染症だけでなく、尿路感染症、肺炎、皮膚の感染症などでも発熱することがあります。
高齢者では、若い人のように「高熱」「強い痛み」「激しい咳」などがはっきり出ないことがあります。
例えば、尿路感染症では排尿時の痛みがなくても、微熱や食欲低下、元気がないといった変化だけが見られることがあります。
肺炎でも、咳や高熱が目立たず、息苦しさや食欲低下、いつもよりぼんやりしているといった変化から始まることがあります。
肺炎など呼吸器の病気
微熱が続き、咳や痰、息苦しさなどがある場合は、肺炎などの呼吸器の病気にも注意しましょう。
特に高齢者では、食べ物や唾液が気管に入り込むことで起こる誤嚥性肺炎にも注意が必要です。
「咳が少ないから肺炎ではない」とは限りません。食事中にむせることが増えた、痰が増えた、食欲が落ちたなどの変化があれば、体温と合わせて確認しましょう。
尿路感染症
膀胱炎や腎盂腎炎などの尿路感染症でも、発熱することがあります。
尿が濁る、排尿回数が増える、排尿時に痛がる、腰や背中が痛いといった症状があれば尿路感染症が疑われます。
ただし、高齢者では典型的な症状が出ないこともあります。微熱とともに急に元気がなくなった場合や、普段と様子が違う場合にも注意しましょう。
慢性的な炎症
体のどこかで炎症が続いていると、微熱が長く続くことがあります。
関節や肺、消化器などさまざまな場所の病気が関係する可能性があります。
微熱が何週間も続く、いったん下がっても何度も繰り返すといった場合には、自己判断で様子を見続けず、医療機関で原因を調べてもらいましょう。
薬の影響
薬を飲み始めたあとから発熱するようになった場合は、薬が関係していることもあります。
高齢になると複数の薬を服用している方も多いため、微熱が続くときは最近薬が追加・変更されていないか確認しましょう。
ただし、自己判断で薬を中止するのは避けてください。処方した医師や薬剤師に相談しましょう。
脱水や暑さによる体調不良
水分が不足すると、体温が上がることがあります。
特に夏場は、暑さによって体温が上がっているのか、感染症などによる発熱なのか分かりにくいことがあります。
水分をあまり飲んでいない、尿の量が少ない、口が乾いている、食欲が落ちているなどの変化も確認しましょう。
悪性腫瘍などの病気
頻度は高くありませんが、微熱が長く続く原因として、がんなどの病気が隠れていることもあります。
特に、理由が分からないまま微熱が長期間続き、体重が減っている、食欲が落ちている、強いだるさが続いているといった症状がある場合は、医療機関で調べてもらいましょう。

微熱と一緒に出ていたら注意したい症状
微熱の高さだけでは、病気の重さを判断できません。
次のような症状が一緒に出ている場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
- 息苦しさや呼吸が苦しそう
- 胸の痛みがある
- 意識がぼんやりしている
- 急に反応が鈍くなった
- 水分が取れない
- 尿が極端に少ない
- 強いだるさがある
- 食事がほとんど取れない
- 強い頭痛や首の痛みがある
- 繰り返し吐いている
- 咳や痰が続いている
- 排尿時の痛みや背中の痛みがある
微熱が何日続いたら病院へ行く?
「37℃台なら何日まで様子を見ていい」と一律に決めることはできません。
普段の体温や年齢、持病、服用している薬、ほかの症状によって判断が変わるためです。
ただ、微熱が何日も続いている、いったん下がっても何度も繰り返している、普段と明らかに様子が違うという場合は、かかりつけ医に相談しましょう。
高齢者の場合は、体温がそれほど高くなくても感染症などが隠れていることがあります。特に持病がある方や体力が落ちている方は、早めに相談したほうがよいでしょう。
家族が確認しておきたいポイント
普段の体温と比べる
まず確認したいのは、その方の普段の体温です。
「37℃だった」という数字だけを見るのではなく、普段は何℃くらいなのかを確認しましょう。
いつから微熱があるのか記録する
微熱が出た日時や体温を記録しておくと、受診時に役立ちます。
朝・昼・夕方など、測った時間も一緒に記録しておきましょう。
体温だけでなく、食事量、水分摂取量、尿の回数、咳や痰、息苦しさ、元気の有無なども簡単にメモしておくと、体調の変化が分かりやすくなります。
薬の変更がなかったか確認する
最近、新しい薬が追加されたり、薬の種類や量が変わったりしていないか確認しましょう。
受診するときは、お薬手帳を持参すると医師が確認しやすくなります。
本人の様子を見る
高齢者の場合、熱より先に「いつもと違う」という変化が出ることがあります。
会話が減った、食事を残すようになった、寝ている時間が増えた、歩く元気がないなど、小さな変化も見逃さないようにしましょう。

微熱があるときに自宅で気を付けること
微熱があるときは、まず無理をさせずに休ませましょう。
水分が取れる状態なら、少量ずつこまめに水分を取りましょう。食欲がある場合は、消化のよい食事を無理のない範囲で取ります。
室温や衣類も調整し、暑すぎたり寒すぎたりしないようにしましょう。
ただし、自己判断で解熱剤を繰り返し使うのは避けましょう。熱を下げることだけに気を取られると、病気による体調変化に気付きにくくなることがあります。
持病や服用薬がある方は、解熱剤を使ってよいか医師や薬剤師に確認しましょう。
高齢者の微熱は「熱の高さ」だけで判断しない
高齢者が微熱を繰り返す原因には、感染症、肺炎、尿路感染症、炎症、薬の影響、脱水などさまざまなものがあります。
37℃台だから軽いとは限りません。特に、食欲が落ちた、元気がない、息苦しい、尿が少ない、意識や会話の様子がおかしいなど、普段と違う変化があれば注意しましょう。
微熱が続く場合は、体温の記録と一緒に本人の様子も確認し、必要に応じて医療機関へ相談してください。
ご家族が「いつもと違う」と感じたことも、受診時には大切な情報になります。
まとめ
高齢者が微熱を繰り返すときは、単なる体温の変化だけでなく、感染症や肺炎、尿路感染症、薬の影響、脱水などが隠れていることがあります。
特に高齢者は症状がはっきり出ないことがあるため、37℃台という数字だけで判断しないようにしましょう。
微熱が続く場合や、食欲低下、強いだるさ、息苦しさ、意識の変化などがある場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
家族の毎日に役立つ情報
🛒 暮らしを支えるグッズ(快適な毎日に)


