高齢のご家族の足や顔がむくんでいると、「年齢のせいかな」と思うことがありますよね。高齢になると活動量が減ったり、同じ姿勢で過ごす時間が長くなったりして、むくみが起こりやすくなります。
ただし、むくみの中には心臓や腎臓、肝臓などの病気が原因になっているものもあります。特に、今までなかったむくみが急に出てきた場合や、むくみ以外の症状も一緒に出ている場合は注意が必要です。
この記事では、高齢者のむくみの原因となる主な病気について、病気ごとの特徴や注意したい症状、病院を受診する目安を分かりやすく解説します。
高齢者のむくみは病気が原因のこともあります
むくみとは、皮膚の下に余分な水分がたまった状態です。足や足首に出ることが多いですが、病気によっては顔やまぶた、手などがむくむこともあります。
一時的なむくみなら、長時間座っていた後や夕方に足がむくみ、朝になると軽くなることがあります。
一方で、病気が原因の場合は、むくみがなかなか改善しなかったり、左右両方に強く出たり、息苦しさや体重増加など別の症状を伴ったりします。

むくみだけを見て「運動不足だから」と決めつけないようにしましょう。いつから始まったのか、どこがむくんでいるのか、ほかに症状がないかを一緒に確認すると、病気のサインにも気付きやすくなります。
高齢者のむくみの原因となる主な病気
心不全
心不全は、心臓の働きが低下して、全身に十分な血液を送り出せなくなる状態です。
血液の流れが滞ると体内に水分がたまりやすくなり、足やすねのむくみが起こることがあります。
心不全によるむくみでは、むくみだけでなく、息切れや疲れやすさ、体重の増加などがみられることがあります。以前は問題なく歩けていたのに、少し動いただけで息切れするようになった場合も注意しましょう。
特に、横になると息苦しくなる、夜中に息苦しくて起きる、急に体重が増えたなどの変化がある場合は、早めに医療機関へ相談してください。

腎臓の病気
腎臓には、血液から不要な水分や塩分などを取り除き、尿として体の外へ出す働きがあります。
腎臓の機能が低下すると、体内に水分や塩分がたまりやすくなり、むくみにつながることがあります。
腎臓の病気では、足だけでなく顔やまぶたなどがむくむこともあります。尿の量が変わったり、尿が泡立つようになったり、血圧が高くなったりする場合もあります。
ただし、腎臓の病気は初期には自覚症状が分かりにくいこともあります。むくみが続いている場合は、ほかに症状がなくても一度医療機関で相談しましょう。
肝臓の病気
肝臓の病気でも、むくみが起こることがあります。
肝臓の機能が低下すると、血液中のたんぱく質を十分に作れなくなることがあります。その影響で血管の中に水分を保ちにくくなり、体の組織に水分がたまってむくみにつながります。
肝臓の病気では、足のむくみだけでなく、お腹に水がたまって膨らむ腹水がみられることもあります。だるさや食欲低下、皮膚や白目が黄色くなる黄疸などを伴う場合もあります。
お腹が急に大きくなった、足のむくみが続いているなどの変化があれば、医療機関で相談しましょう。
下肢静脈瘤
下肢静脈瘤は、足の静脈にある血液の逆流を防ぐ弁がうまく働かなくなり、血液が足にたまりやすくなる病気です。
足の血管が浮き出たり、ふくらはぎが重くだるく感じたりするほか、足首やすねにむくみが出ることがあります。
立っている時間が長いと症状が強くなり、横になったり足を休ませたりすると軽くなることもあります。
以前から足がむくみやすく、血管がボコボコと浮き出ている場合は、下肢静脈瘤が関係しているかもしれません。
深部静脈血栓症
深部静脈血栓症は、足の深いところにある静脈に血の塊ができる病気です。
片方の足だけが急に腫れたり、痛みや熱っぽさを感じたりすることがあります。左右両方ではなく、片足だけに急なむくみが出たときは注意しましょう。
血栓が血流に乗って肺へ移動すると、肺の血管を詰まらせる肺血栓塞栓症につながることがあります。急な息苦しさや胸の痛みなどがある場合は、すぐに医療機関へ連絡してください。

特に気を付けたいのは「急に片足だけむくんだ」という変化です。普段から両足がむくむ方でも、いつもと違う腫れ方や痛みが出たときは、そのまま様子を見ないようにしましょう。
甲状腺の病気
甲状腺ホルモンが不足する甲状腺機能低下症でも、むくみが起こることがあります。
足だけでなく顔やまぶたなどがむくむことがあり、皮膚が乾燥する、寒がりになる、便秘になる、体がだるいなどの症状を伴う場合があります。
「年齢のせいで元気がない」と思っていたら、甲状腺の病気が隠れていたということもあります。むくみと一緒に体調の変化が続いている場合は、医療機関に相談しましょう。
薬が原因になることもあります
病気そのものではありませんが、薬の影響でむくみが起こることもあります。
高血圧の治療薬など、一部の薬では副作用として足のむくみがみられることがあります。
新しい薬を飲み始めた後にむくみが出てきた場合や、薬が変更されてからむくみが強くなった場合は、自己判断で薬を中止せず、処方した医師や薬剤師に相談してください。
病気によるむくみを疑うときのチェックポイント
むくみがあるときは、次のような点を確認してみましょう。
- いつからむくみ始めたか
- 片足だけか、両足なのか
- 足だけでなく顔や手もむくんでいるか
- 朝と夕方でむくみ方が変わるか
- 急に体重が増えていないか
- 息切れや息苦しさがないか
- 胸の痛みがないか
- 尿の量や状態に変化がないか
- 足に痛みや赤み、熱っぽさがないか
- 新しく飲み始めた薬がないか
こうした情報は、病院で原因を調べるときにも役立ちます。
こんなむくみがあるときは早めに受診しましょう
むくみがあるからといって、すべてが病気というわけではありません。しかし、次のような場合は医療機関で相談しましょう。
- むくみが何日も続いている
- 以前よりむくみが明らかに強くなった
- 急に体重が増えた
- 息切れや息苦しさがある
- 横になると息苦しくなる
- 尿の量が大きく変化した
- 片足だけ急に腫れた
- むくんだ部分に痛みや赤み、熱感がある
- 顔やまぶたまでむくんできた

むくみが続いているときは、「足を上げれば大丈夫」と考えてしまわず、原因を確認することから始めましょう。特に息苦しさや急な片足の腫れがあるときは、自分でマッサージせず医療機関に相談してください。
むくみがあるときに自己判断でマッサージしてもいい?
むくみがあると、マッサージをして流したくなるかもしれません。
しかし、むくみの原因が分からない状態で、強く揉んだり圧迫したりするのは避けましょう。
特に、片足だけ急に腫れている、痛みや赤みがあるといった場合は、血栓などが原因になっている可能性もあります。このようなときに自己判断で強くマッサージするのはおすすめできません。
以前からあるむくみで、医師から運動やマッサージについて指示を受けている場合は、その方法に従いましょう。
高齢者のむくみは「いつもと違う変化」を見逃さない
高齢者のむくみには、活動量の低下や長時間同じ姿勢で過ごすことなど、病気以外の原因もあります。
一方で、心不全や腎臓の病気、肝臓の病気、下肢静脈瘤など、治療が必要な病気が原因になっていることもあります。
そのため、「高齢だからむくむのは普通」と考えてしまわないことが大切です。
いつからむくんだのか、片足なのか両足なのか、息苦しさや体重の変化はないかなど、普段との違いを確認してみましょう。
急なむくみや強い症状がある場合は早めに医療機関を受診し、原因に合った治療につなげましょう。

麻痺している足は浮腫むことが多いです。ただ、いつも以上に急に浮腫んだ時は別の原因も起きている可能性もあるので、受診するようにしましょう。
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