「何度誘ってもデイサービスへ行きたがらない」
「話をすると機嫌が悪くなってしまう」
と悩んでいるご家族もいらっしゃいます。
本人のためを思って勧めているのに拒否されると、「どう声をかければいいのだろう」「無理にでも行ってもらった方がいいのでは?」と迷ってしまいます。
実は、デイサービスを嫌がる背景には、不安やプライド、環境の変化への戸惑いなど、さまざまな理由があります。その気持ちを理解しながら関わることで、受け入れてもらいやすくなることもあります。
この記事では、デイサービスを嫌がる主な理由と、家族が実践しやすい声のかけ方、避けたい対応について分かりやすく解説します。
デイサービスを嫌がる理由を知ることが第一歩
まず大切なのは、「わがままだから嫌がっている」と決めつけないことです。
本人なりに理由があり、不安や抵抗感を抱えている場合がほとんどです。
知らない場所へ行くことが不安
初めての場所へ行くことは、高齢者にとって大きなストレスになることがあります。
「どんな人がいるのか」「何をするのか分からない」という不安だけで、利用を断る方も珍しくありません。
介護が必要だと認めたくない
これまで自立して生活してきた方ほど、「介護サービスを利用する人になった」と感じることへ抵抗を持つ場合があります。
本人のプライドを傷つけない配慮が大切です。

体の状態よりも「気持ち」の問題で利用を拒否していることもあります。無理に説得するより、不安を受け止める姿勢の方が利用につながりやすいことがあります。
人付き合いが苦手
初対面の人と話すことが苦手だったり、大人数が疲れると感じたりする方もいます。
「友達を作る場所」と説明されるとかえって抵抗を感じる場合もあります。
家で過ごす方が気楽だと思っている
慣れた自宅は安心できる場所です。
生活リズムを変えたくない、家でテレビを見ている方が楽だという気持ちから利用を断ることもあります。
雰囲気が合わない、苦手な利用者がいる
これは通い始めてからの問題ですが、雰囲気が合わない、苦手な利用者がいるという理由で行くのを拒む方もいます。
デイサービスは曜日によって利用する方が違うため、曜日ごとに雰囲気が全く違います。
男性が多い日もあれば女性が多い日もあり、にぎやかない日もあれば静かな日もあります。
通いだしてから雰囲気が合わないということを避けるため、見学は実際に通う曜日に行くようにしましょう。

他利用者が原因で曜日を変えるという方も時々います。認知症などで若干問題行動がある方がいる場合もありますが、いい人だけれどおしゃべり過ぎてその人が同じ空間にいると疲れるという場合もあります。そのような時はできるだけ近づかないようにスタッフが気を付けますが、他利用者や雰囲気が原因でしたら、曜日を変えてみるのもおすすめです。
まずは本人の気持ちを聞いてみましょう
デイサービスを勧める前に、「どうして行きたくないの?」と落ち着いて話を聞いてみることが大切です。
理由が分かれば、それに合わせた対応がしやすくなります。
否定せず最後まで話を聞く
途中で反論したり、「そんなこと気にしなくていい」と否定したりすると、本人は理解してもらえないと感じてしまいます。
まずは最後まで話を聞き、「そう感じているんだね」と受け止めましょう。
無理に説得しようとしない
「みんな行っているから」「行かないと困るよ」と何度も説得すると、かえって意地になってしまうことがあります。
一度距離を置いて、時間を空ける方がうまくいく場合もあります。
デイサービスへ前向きになりやすい声のかけ方
伝え方を少し変えるだけで、本人の受け止め方が変わることがあります。
本人にメリットがあることを伝える
「お風呂にゆっくり入れる」「昼食がおいしい」「リハビリができる」など、本人にとって良いことを具体的に伝えるとイメージしやすくなります。
家族のためではなく本人のためと伝える
「家族が助かるから行ってほしい」という伝え方は、負担に感じさせてしまうことがあります。
本人が元気に生活を続けるために必要という視点で伝えるようにしましょう。

運動機能の維持や転倒予防は、家で一人で過ごすだけでは難しいことがあります。体を動かす機会が増えることも、デイサービスに通う大きなメリットです。家ではほぼ動かない方は、送迎者への乗り降りや広い施設でトイレまで移動することなども運動になります。
家族がやってはいけない対応
本人のためを思っていても、伝え方によってはますますデイサービスを嫌がることがあります。次のような対応はできるだけ避けましょう。
無理やり連れて行こうとする
強引に連れて行くと、デイサービスそのものに嫌な印象を持ってしまうことがあります。
初回は見学だけにしたり、短時間だけ利用したりと、少しずつ慣れてもらうことも一つの方法です。
「みんな利用している」と比較する
「近所の○○さんも行っているよ」と言われても、本人にはあまり響かないことがあります。
他の人と比べるよりも、「あなたに合った過ごし方ができるよ」と伝える方が安心感につながります。
何度もしつこく勧め続ける
毎日のように話題にすると、デイサービスという言葉を聞くだけで拒否反応が出てしまうことがあります。
本人の様子を見ながら、タイミングを変えて話すことも大切です。

利用開始まで時間がかかる方は珍しくありません。焦らず信頼関係を保ちながら少しずつ進めましょう。送迎車の時間に合わせて準備できない方は、本人が行けそうな日に行けそうなタイミングで家族が送ってきたりしています。認知症の方はそのような方が多いです。
どうしても利用を嫌がるときは専門職へ相談を
何度話し合っても利用が難しい場合は、ご家族だけで抱え込む必要はありません。
ケアマネジャーや地域包括支援センターへ相談すると、本人に合った施設を紹介してもらえたり、声かけの方法を一緒に考えてもらえたりします。
施設によって雰囲気や活動内容は大きく異なるため、「この施設は合わなかったけれど、別の施設なら楽しく通えた」ということもあります。

介護サービスは必要ないと思っている方(特に男性)は、トレーニングジムのような雰囲気のリハビリ特化型のデイサービスだと抵抗なく通い始められることがあります。また、運動が好きではない方の場合は、ゲームやカラオケなどのレクレーション、塗り絵や手芸などといった手作業などを行ってゆったり過ごすところの方がスムーズに受け入れられやすいです。
よくある質問(FAQ)
Q. デイサービスは無理に行かせてもいいのでしょうか?
A. 基本的には無理強いはおすすめできません。本人が強い拒否感を持ったまま利用すると、その後も継続しにくくなることがあります。まずは嫌がる理由を確認し、見学や体験利用から始めることをおすすめします。
Q. 体験利用だけでもできますか?
A. 多くのデイサービスでは見学や体験利用を行っています。実際の雰囲気を知ることで不安が軽くなり、利用につながる方もいます。

ただ、見学したことでよけいに行きたくなくなることもあるので、どのようなタイプの施設なら行ってくれそうか、性格や好みを考えた上で見学する施設を選ぶようにしましょう。家族の希望する施設と本人が行きたいと思う施設が違うこともあります。
Q. デイサービスに慣れるまでどれくらいかかりますか?
A. 数回で慣れる方もいれば、数か月かかる方もいます。性格や環境によって個人差があるため、焦らず見守るようにしましょう。
まとめ
デイサービスを嫌がる親への対応では、無理に説得することよりも、本人の気持ちを理解し、不安を取り除いていくことが大切です。
声のかけ方を少し工夫するだけで、「一度だけ行ってみようかな」という前向きな気持ちにつながることもあります。
ご家族だけで悩まず、ケアマネジャーや地域包括支援センターにも相談しながら、本人に合った方法を一緒に探していきましょう。
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