高齢になると、転倒だけでなく、くしゃみや尻もちなどの小さな衝撃で背骨が折れてしまうことがあります。
このような骨折を「圧迫骨折」といい、骨粗しょう症のある高齢者では特によくみられます。
腰の痛みが続いていると思っていたら、実は骨折していたということもあります。
この記事では、高齢者に多い圧迫骨折の原因や症状、治療法、リハビリ、日常生活で気を付けたいことをわかりやすく解説します。
圧迫骨折とは
圧迫骨折とは、背骨(脊椎)の骨が押しつぶされるように変形してしまう骨折です。
高齢者では胸の骨(胸椎)や腰の骨(腰椎)に起こることが多く、特に骨粗しょう症がある方は発症しやすくなります。
一般的な骨折のように骨が完全に折れるというより、骨がつぶれるようなイメージのため、「いつの間にか骨折」と呼ばれることもあります。
高齢者に多い理由
年齢とともに骨の量は少しずつ減少し、骨がもろくなります。
特に骨粗しょう症になると、健康な人では問題にならない程度の力でも骨折してしまうことがあります。
例えば次のような動作がきっかけになることもあります。
- 転倒する
- 尻もちをつく
- 重い荷物を持ち上げる
- くしゃみをする
- ベッドから勢いよく起き上がる
また、原因がはっきり分からないまま痛みが出て、検査で初めて圧迫骨折が見つかることも珍しくありません。

デイサービスに通っている方でも腰椎圧迫骨折をしたことがある方は多いです。レントゲンを撮ったときに「過去に圧迫骨折をした痕があるね」と言われたという方もいます。
主な症状
圧迫骨折では次のような症状がみられます。
- 急な腰や背中の痛み
- 寝返りができない
- 起き上がる時に強く痛む
- 立ち上がると痛い
- 歩くと痛みが強くなる
一方で、軽い圧迫骨折では痛みがそれほど強くなく、「少し腰を痛めたかな」と思って過ごしてしまう方もいます。
受診した方がよい症状
次のような症状がある場合は、早めに整形外科を受診しましょう。
- 転倒後から腰や背中が痛い
- 急に寝返りや起き上がりができなくなった
- 数日たっても痛みが改善しない
- 骨粗しょう症と診断されている
レントゲンでは分かりにくい場合もあり、必要に応じてMRIやCT検査が行われます。
治療方法
保存療法
多くの圧迫骨折では、まず保存療法が行われます。
- 安静にする
- コルセットで腰を固定する
- 痛み止めを使用する
- 骨粗しょう症の治療を行う
骨が安定するまでには数週間から2〜3か月程度かかることが一般的です。
手術
痛みが非常に強い場合や骨のつぶれ方が大きい場合には、手術が検討されることもあります。
ただし、高齢者では保存療法で改善するケースも多く、すべての方が手術になるわけではありません。
リハビリで大切なこと
痛みが落ち着いてきたら、少しずつ体を動かしていきます。
長期間安静にし過ぎると筋力が低下し、歩けなくなったり転倒しやすくなったりするためです。
リハビリでは主に次のようなことを行います。
- 歩行練習
- 立ち座り練習
- 姿勢の改善
- 体幹や下肢の筋力トレーニング
- 転倒予防運動

強い痛みがある時期に無理なストレッチや腰をひねる運動を行うことは避けましょう。
日常生活で気を付けたいこと
骨が安定するまでは、腰へ強い負担がかかる動作を避けることが大切です。
- 重い荷物を持たない
- 急に体をひねらない
- 前かがみの姿勢を長く続けない
- 起き上がる時は横向きになってから起きる
- 転倒しない環境を整える
また、骨粗しょう症の治療を継続することも、再発予防につながります。

椅子にドスンと座っただけでも折れることがありますのでゆっくり座るようにしましょう。
圧迫骨折を予防するには
圧迫骨折は、骨粗しょう症の予防と転倒予防が最も重要です。
- カルシウムやたんぱく質をしっかり摂る
- ビタミンDを意識する
- 適度な運動を続ける
- 骨粗しょう症の治療を継続する
- 家の段差や滑りやすい場所を改善する
一度圧迫骨折をすると再発しやすくなるため、骨を丈夫に保つ生活習慣を心掛けましょう。

まとめ
圧迫骨折は、高齢者に多い代表的な骨折の一つです。
- 骨粗しょう症があると起こりやすい
- 転倒だけでなく、軽い衝撃でも発症することがある
- 急な腰痛や背中の痛みがある時は早めに受診する
- 治療はコルセットや安静が中心になることが多い
- 骨粗しょう症の治療と転倒予防が再発防止につながる
腰の痛みを年齢のせいと決めつけず、早めに受診することで悪化を防げる場合があります。
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