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介護老人保健施設(老健)と特別養護老人ホーム(特養)の違い|リハビリ目的の場合はどちら

リハビリ重視したい方の施設の選び方(入所)

まずはどんな施設があるか簡単に説明します。

次に、同じ目的の施設でもリハビリのやり方はさまざまということを説明します。

経験からのお話なのでよかったらご参考にしてみてください。

特別養護老人ホームと介護老人福祉施設は同じものをさします。

老人福祉法での呼び名が「特別養護老人ホーム」で、介護保険法での呼ぶときは「介護老人福祉施設」となるようです。

介護保険法ができたことで複雑になったようです。

長期入所施設の種類

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム:特養):要介護のみ

●介護老人保健施設(老健):要介護のみ

●介護療養型医療施設(療養病床のある病院):要介護のみ。

主に医療法人が運営する医療施設で、特別養護老人ホームや介護老人保健施設よりも重度の要介護者などを受け入れている。こちらのサイトで詳しく書かれています(介護療養型医療施設(療養病床)とは?

●特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム、軽費老人ホーム等):要支援・要介護

長期入所できる施設は大きく上の4つに分類されます。

ここでは中等度から重度まで入れて費用も安くまずは検討するに入るであろう、老健と特養について説明します。

老健と特養について

①老健と特養の違い

病院をでることになり、入所することになった場合、どのような施設がいいか迷いますよね。

通常、機能回復を目指す方は介護老人保健施設を紹介されると思います。

1)介護老人保健施設

介護老人保健施設というのは病院と家との間の施設です。

病院から家に帰るにはもう少しリハビリが必要という方が入所します。

中には家にいて通所リハビリを利用していたけど、在宅での生活が厳しくなり入られる方もいます。

機能訓練が目的の施設なので、理学療法士や作業療法士のリハビリを受けることが基本となります。

その分、家庭に帰ることが目的なので、3か月で出ることが基本です。

しかし、中には実際家庭での生活が無理な場合、介護老人福祉施設(特別養護老人ホームなど)の空き待ちで更新しながら長く入っておられる方もいます。

その辺の柔軟性は施設により違うので最初の説明をしっかり聞きましょう。

特養は待機が多く、その待ち期間に老健に入るという方が実際のところかなり多いです。

2)特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)

病院を出たあと機能回復を目指してとりあえず老健に入っていたけど、重度であったり高齢であったりで思うように回復せず、自宅へ復帰するのは難しい場合があります。

その時に考えるのが特養です。

ただし、終身で入るため空きがなく待機することがほとんどです。

待機の間に行き場所がなく老健にいるという方が多いです。

特別養護老人ホームでは、機能回復が目的ではなく、終身で介護を受けることが目的なため、理学療法士や作業療法士などのリハビリ専門職が在住することは義務付けられていません。

施設によっては一人くらいいることもありますが、個別でしっかりとしたリハビリを期待することは難しいでしょう。

老健で一生懸命リハビリをしていたのに、特養に行ったらリハビリがなくなってしまうということでリハビリを生きがいのように頑張っていた方はがっかりすることもあるでしょう。

リハビリ以外にも生きがいを持って楽しく生活できるようにサポートが必要です。

②老健でのリハビリのやり方の違い(入所)

リハビリがメインになるのは介護老人保健施設なので、こちらでのリハビリについてお話します。

まずは、平成31年現在の国が定めるリハビリの回数などのお話から。

1)施設が義務付けられている最低回数など

週2回以上というのが基本です。

以前は1回あたり20分以上というのがありましたが、いつの間にかそのような記載がなくなったようで、時間の決まりはなくなったようです。

そしてこれは、週2回のうちの1回はセラピストによる個別リハビリが必要ですが、もう一回は集団リハビリでもよいとなっています。

〇〇以上と設定してあるので、そのギリギリの回数よりも多くする施設はほぼないと思います。
それは、リハビリの回数や時間数に応じて報酬を受け取れるのではなく、最低基準さえ満たしていれば1か月の利用料金をもらえるという仕組みになったいるからです。

高齢化に応じて一人あたりの料金が一律で安くなり、いくらリハビリに時間をかけても料金は変わらず、丁寧にリハビリをすればするほで、人件費の方が高くなってしまうという制度になっているからです。

国のやり方に文句を言う利用者はけっこういます。

リハビリ職からみても、もう少しやらないとよくならないのにと思うことも多々あります。
国の予算の使い方をもう少しを考えてもらいたいところです・・・。

【まとめ】

通常の回数は最低2回と決まっているのでそこはどこの老健も変わりません。

違いは、2回とも個別訓練か、1回は集団体操などの集団訓練かです。

何分くらい行うのかも施設によって違います。

しっかりやってもらいたい方は、2回とも個別訓練で、長めに行ってもらえるところをお勧めします。

2)短期集中リハビリテーションの有無

先にあげた1)に加えて、入所して3か月間は短期集中リハビリテーションというものがあります。

これは入所して3か月間は、自宅に帰る為に集中的にたくさんリハビリをしようというものです。

国の基準として、1対1で20分以上のリハビリを週3回以上すれば、1回あたり〇〇円という料金を取れるという形になっています。

そのため、この期間は施設側からしても積極的にリハビリをすれば、収入に直結するのでリハビリをすることができます。

利用者側からしてもたくさん受けられるのでいいですよね。

また、認知症短期集中リハビリという認知症にアプローチするリハビリもあります。

しかし、短期集中リハビリテーションは行っている施設と行っていない施設があります。

スタッフの数に問題があったり、入退所の入れ替えが少なく対象者が少ないため実施していないなどが理由に挙げられると思います。

行っていても3回ぎりぎりのところもあれば、それ以上できる限り行うとろこもあります。

また、利用者からしたらこれを受けたいが為に、施設側からしたらこれでお金を取りたいがために施設から施設へと3か月ごとにたらいまわしになるケースが多々ありました。

そのため、現在は施設から施設への移動の場合は次の施設では短期集中リハビリは受けられないことになっています。

病院からか自宅からの入所が基本です。

短期集中リハビリテーションを受けた後、退所して3か月自宅で生活するか入院するようなことがあってその後再入所した場合はまた短期集中リハを受けることができます。

デイケアと入所を3か月ごとに繰り返し、デイケア・入所ともに短期集中リハビリを使ってリハビリを頑張っておられる方もいます。

それなりに費用もかかることになるのでその辺はそれぞれの家庭の事情次第ですね。

【まとめ】

短期集中リハビリテーションを行っているところで、なおかつ週5回行っているところがリハビリが充実しています。

認知症短期集中リハビリは行っていないところも多いので必要な場合はあるか聞いてみましょう。

気を付けたいのは、その分お金もかかってくるということです。

逆に言えば、ご本人も家族も特にリハビリは強く希望しておらず、施設で楽しく過ごしてもらえればいいと思っている方でも、こういう施設に入れば、リハビリをガンガンさせられてお金がかかるということです。

それでも体がよくなればいいですが、ホントにリハビリが嫌で動こうとしない方はいくら回数をやってもよくなりません。

希望にあったところを探しましょう。

デイケアと入所を3か月ごとに繰り返し、デイケア・入所ともに短期集中リハビリを繰り返すという方法があります。

3)担当制か否か

リハビリの先生が完全固定の担当制のところとそうでないところがあります。

老人施設では病院に比べてリハビリスタッフが少ないです。

パートが多いところもあります。

その時によって違うセラピストがリハビリを実施する施設も多いです。

【まとめ】

担当制のところとそうでないところがあります。

曜日ごとに担当が変わる場合もあります。

4)助手がどこまで行うか

リハビリには助手がいるところといないところがあります。

助手がいないところは最初から最後まで理学療法士または作業療法士が行います。

しかし助手がいるところは、セラピストの指導の下、途中からは助手が行うところもあります。

助手の仕事が送迎のみのところ、重りを付けた筋力訓練や体操のみのところ、立ち上がり訓練や歩行訓練も助手がするところさまざまです。

もともと歩けるけれど距離が歩けるようになりたいとか、筋力を付けたいなどという方は、助手の方と行っても問題ないと思います。

けれども、まっすぐ立てるようになりたいとか、曲がらず上手に歩けるようになりたいという方は理学療法士に指導してもらいながらでないと上手にはならないと思います。

助手がいることが利点となる場合もあります。

それは途中から助手に任せることで長めにリハビリを行っている施設もあることです。

【まとめ】

セラピストと助手が実施するリハビリの境界線は病院によって違います。

実際に見学にいって聞いてみてもなかなか分かりずらいですが、気になるようでしたら聞いてみてください。

5)日々の生活にリハビリを取り入れているか

リハビリは週2回なので、それ以外の普段の生活をどのように過ごすかも重要です。

が重要となってきます。

スタッフ数が少なく、時間に追われ介護するだけで精いっぱいの施設や、「リハビリはリハビリの時間にするもの」と思っている施設もありますが、付き添いをしてでもトイレなどはできるだけ歩いて連れて行こうという方針の所もあります。

また、平行棒での自主訓練を危ないからと完全に禁止しているところもあれば、利用者さんにより安全な方には許可しているところや介護スタッフが付き添いでついてくれるところなどあります。

そのあたりも聞いてみないと分かりません。

【まとめ】

リハビリの時間よりも、普段の生活の方が圧倒的に長いです。

生活にリハビリ要素を取り入れている施設の方がリハビリ効果があがります。

施設全体の方針として生活の中で歩行や自主訓練など取り入れてもらえるか聞いてみましょう。

いままで3か所ほど常勤としてやパートとして介護老人保健施設で働いてきましたが、本当にやり方はまちまちでした。

スタッフ数が少なければやはり一人一人のリハビリに力が入れられない状況となっています。

一概に何人くらいいれば大丈夫とは言い切れないので、実際のリハビリのやり方(個別、集団)を聞くことと、介護の方も生活に介助歩行などを取り入れてもらえるかなどを聞いてみるといいと思います。

また、介護スタッフがリハビリに力を入れれば、その分レクレーションなどが充実していない場合もあります。

全部が完璧な施設はないので、どこを重視するか考えて選んでみてください。

※数年に一度診療報酬の改定などがあり、時間や回数などの制約が変わることがあります。ご了承ください。